2016年3月28日月曜日

ロバの耳通信「活字中毒」「ギフテッド」

活字中毒なので本は手放せない。雑誌などは7インチのタブレットでも充分だが、ハードカバーの読みやすさと文庫本の手軽さは「紙」でジックリ反芻しながら味わいたい。最近の電子ブックリーダーはかなり読みやすくなっているとで大型書店で試させてもらったが、染入るような活字のキレイさと行間の広がりの豊かさでは「紙」のほうがずっといい。
ブログや書店の広告で面白そうな本を見つけると、図書館に予約を出す。順番待ちの番号が段々少なくなってくるのを見る楽しみは、私鉄の駅の改札口から吐き出される紺色の制服のなかに彼女を探すようなドキドキ感に似ている。数字は中々減らなかったりするのだが。
自室に積んでハードカバーはとっておきの楽しみでこれは非常食。
山田宗樹「ギフテッド」(2015年幻冬舎)。この本を読むようになったのは、図書館でカミサンから「おとーさんの好きそうなタイトルじゃないの、借りたら」の一言だった。幻冬舎の本で外れたことはほとんどないし、確かに魅かれるタイトルだった。プロローグが「職員室」から始まるし、生徒たちの会話も多いからはやりのLN(ライト・ノベル)風なので、ああここから憧れの先輩とかが出てきて恋するオトメがでてくるのかとはやくも脳が拒否反応を起こし出したところ(実は、LN-この手のハナシは嫌いなのだ)、第一章の「異物」という題目だけでもオドロオドロシイ、うん実にワクワクする本編はスティーブン・キングかナイト・シャマランかと思われるほど。結末の脈略が曖昧になった「ハッピーエンドにしたから許してね」の締めはちょっと残念だったが、奇異な始まりの物語の落とし前はこうするしかないのだろう。
おなじ著者の2冊目は「人は、永遠に輝く星にはなれない」。タイトルの付け方がうまいなー、目次の題目も。この著者にハマりそうな気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿