真保の本は何冊か読んだ記憶があって、ハードボイルドやらミステリーもので面白かったという記憶。表紙と解説でコメディーかと半ば時間つぶしで借りたのがこの「ローカル線で行こう!」だった。新幹線の売り子さんの女性が、その仕事ぶりを見込まれて赤字ローカル線の再生を任されるというとんでもない話なのだが、文章がうまくすっかり乗せられてしまった。600ページ近い長編のほぼ四分の一まで来たところで気づく。この本は確かに面白い。真保らしからぬ明るくノリのいい調子のよさだ。企業コンサルタントをしていた自分にも、気付かされる再生プランもあって、アイデア満載のストーリーは飽きない。サクセスストーリーとしての結末も予想された。が、途中で放り出してしまった。うまく言えないが、なんだか絵空事のむなしさのようなものを感じてきたから。真ん中を飛ばし、後半のページを倍速で。ローカル線再生の邪魔者捜しのミステリーがあり、裏で原発廃棄物処理の計画を企んでいた県知事のワルを暴くという真保らしいところが出てきたところで、あっけなく物語が終わった。やっぱり真保にこういう軽いノリのものは似合わない。
「キング&クイーン」(12年 柳広司 講談社文庫)
初めての作家で、表紙もなんだかね、で躊躇したが別の作品「ジョーカー・ゲーム」(未読)で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞を獲っている作家だと。チェスの世界王者の護衛を引き受けた元警視庁SPの物語という設定。チェスはやったことがないからチェス用語にあたると引っかかる。チェスの世界王者が狙われるという理由が曖昧で、ミステリーじかけのストーリー展開がもどかしく、SPとチェス王者の昔話まで戻ったりするから時世の混乱もありイライラがつのるのだが、人物の描き方が面白く最後まで引っ張られてしまった。「ジョーカー・ゲーム」を読んでみようかな。













