
映画では、球団の会長(ハリソン・フォード)が繰り返される差別にキレそうになったロビンソンに、活躍することだけが差別に打ち勝つ方法だと諭すところがでてくる。なにかおかしくないかその考え方。頑張らなければ普通に生きることさえできないなんて。
映画は麻薬。だから、辛い思いにさせることは決してない。でも、いくら努力しても差別の壁を乗り越えることができなかった、という悲しい作品なら、少しは社会を変えることができるのじゃないか。万にひとつのサクセスストーリーを明るい映画にして夢を見せてくれても、能天気に生きられるわけがないのだから。
「マイル22」(18年 米)原題:Mile 22
マーク・ウォールバーグとインドネシアのアクション俳優イコ・ウワイスが主演のスパイもの。インドカーというアジアの仮想国でスパイを亡命させるため空港までの22マイルを護送するCIAエージェントが活躍するというスジなのだが、三重スパイとかまであるから、誰がテキかミカタかグッチャグチャ。
個人的には好きじゃないジョン・マルコヴィッチがいい役で出ていたから実はこいつが悪のボスじゃないかと予想していたが、ラストにあっけなく殺されてしまって肩透かし。

ちょうどこの映画の前に「ナチスの墓標 レニングラード捕虜収容所」(06年 ロシア・英)というつまらない映画でジョン・マルコビッチがワルのロシア将校役やってて、余計に印象悪かったからか。
まあスジなんかどうでもいいやの感で不死身のマーク・ウォールバーグのドンパチを満喫。