2024年3月30日土曜日

ロバの耳通信「42 〜世界を変えた男〜」「マイル22」

「42 〜世界を変えた男〜」(13年 米)原題: 42

黒人で初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの伝記映画。原題は彼の背番号でアメリカ野球界では今も永久欠番らしい。差別と闘いながらブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)で活躍するようになるまでを描いている。

映画では、球団の会長(ハリソン・フォード)が繰り返される差別にキレそうになったロビンソンに、活躍することだけが差別に打ち勝つ方法だと諭すところがでてくる。なにかおかしくないかその考え方。頑張らなければ普通に生きることさえできないなんて。

映画は麻薬。だから、辛い思いにさせることは決してない。でも、いくら努力しても差別の壁を乗り越えることができなかった、という悲しい作品なら、少しは社会を変えることができるのじゃないか。万にひとつのサクセスストーリーを明るい映画にして夢を見せてくれても、能天気に生きられるわけがないのだから。

「マイル22」(18年 米)原題:Mile 22

マーク・ウォールバーグとインドネシアのアクション俳優イコ・ウワイスが主演のスパイもの。インドカーというアジアの仮想国でスパイを亡命させるため空港までの22マイルを護送するCIAエージェントが活躍するというスジなのだが、三重スパイとかまであるから、誰がテキかミカタかグッチャグチャ。

個人的には好きじゃないジョン・マルコヴィッチがいい役で出ていたから実はこいつが悪のボスじゃないかと予想していたが、ラストにあっけなく殺されてしまって肩透かし。



ちょうどこの映画の前に「ナチスの墓標 レニングラード捕虜収容所」(06年 ロシア・英)というつまらない映画でジョン・マルコビッチがワルのロシア将校役やってて、余計に印象悪かったからか。

まあスジなんかどうでもいいやの感で不死身のマーク・ウォールバーグのドンパチを満喫。


2024年3月20日水曜日

ロバの耳通信「レッド・ダイヤモンド」「ロスト・レジェンド 失われた棺の謎」

「レッド・ダイヤモンド」(16年 カナダ)原題: Precious Cargo

大好き英女優クレア・フォーラニから逆引きして動画サイト見つけたクライムアクション映画。おぉ、ブルース・ウイルスも出てるじゃないかと手をたたき、雨の日のひとり映画会で見るのを楽しみにしていたのに、なんだ、この映画は。派手なカーアクション、ボートアクションにドンパチ。でも、それだけじゃね。うーん、こんなに中身のない映画、久しぶり。クレア・フォーラニもこの時もはや44歳、疲れ顔のシワが目立ち、しかも妊婦役。ブルース・ウイルスもアクションなしのにやけ顔の悪のボス。
映画批評サイトRotten Tomatoesの評価は”ゼロ”だそうだ。トマト評と意見を異にすることはいつものことだが、この映画の零点に合意。落ち着いた雨の日の午後、こんな映画に使って損した。

「ロスト・レジェンド 失われた棺の謎」(15年 中国)原題 鬼吹灯之尋龍訣

中国版「インディージョーンズ」のVFX冒険活劇。ほー、ここまで来たか中国、といっても5年前の映画、金を惜しんで小さくまとまっている日本のVFXなんぞはとっくに追い越されている感。
主役ではなかったがファッションモデル出身のアンジェラベイビー(楊穎)の可憐さにまいった。あー、ほかはどうでもいいと思うくらい可愛いかったから、雑なストーリーも、目立ちすぎのコメディアンのために感じた猥雑さとかも、すべて許す。
「封神伝奇 バトル・オブ・ゴッド」(16年 原題:封神傳奇)にも出ていたし、中国テレビドラマ「雲中歌〜愛を奏でる〜」(15年)、「孤高の花 〜General&I」(17年)でも。若い頃のオードリー(ヘップバーン)にも通じる美しさがいい。

2024年3月10日日曜日

ロバの耳通信「セイフ ヘイブン」「誘拐の掟」

 「セイフ ヘイヴン」(13年 米)原題:Safe Haven

映画の中のジュリアン・ハフにひとめ惚れしてしまった。バレンタインデイに合わせ公開された、甘々の恋愛映画。ふだんはあまり見ないこの手の映画だが、原作が「きみに読む物語」The Notebook(04 米)で大当たりしたニコラス・スパークスということで。ストーリーは子連れの男が出会った女と仲良くなるが、女は殺人罪で指名手配されていたというストーリー。

出会いのシーンやこもれびの湖をボートでめぐるところなんてありきたりだが、ジュリアン・ハフの表情がたまらない。

ため息が出るほど美しいのだ。このあといくつかの映画でジュリアン・ハフをチェックしたが、なんだか。

「セイフ ヘイヴン」で、ジュリアン・ハフのとびっきりキレイな時を、名カメラマンが撮ったーというのがワタシの感想だが、結局この映画、ジュリアン・ハフのお気に入りの表情を見るために何度も見た。

ジェニファー・アニストンが気に入って、「すべてはその朝始まった」(05年 米)を何度も見た時の事を思い出した。


「誘拐の掟」(14年 米)原題: A Walk Among the Tombstones

ミステリー映画のデキは原作で決まる。元刑事で今は私立探偵だというクールな主人公なんて、ハードボイルド小説のステレオタイプ。原作はローレンス・ブロックの「獣たちの墓」。主人公探偵マット・スカダー役のリーアム・ニーソンはあんまり好きじゃないけれど、監督・脚本(スコット・フランク)に助けられたか、渋い作品に仕上がっている。

はやりのCGや派手なドンパチに食傷している昨今。こういうジミな映画で寒い日のホーム・ステイも捨てたもんじゃない。