「復活」(16年 米)原題:Risen
キリストを処刑した側のローマ軍の100人隊長(ジョゼフ・ファインズ)が見たイエス・キリスト(クリフ・カーティス)の復活。自分が磔にしたイエスの死体が消え、イエスと語り、イエスが起こした奇跡を目撃し変わってゆく。この手の映画は結構見てきたが、視点が変わっただけ。作品としても特記するところもないが、キャスティングは良かった。うん、ジョゼフ・ファインズとクリフ・カーティスのキャスティングは逆のほうがもっと良かったかも。考え込むところなど、ジョゼフ・ファインズのほうがずっとイエスらしい。
コレより少し前に見た「サン・オブ・ゴッド」(15年 米)では、静かに語るキリストから映画を見てる間、そのあとにもキリストの優しさが伝わってきて安らかな気持ちになれたが、視点を変えたこの「復活」ではキリストについての<何か、得心できるもの>が伝わってくることがなかったのが残念。特に、レプラに苦しむ男を奇跡で治すところなど、そこまでやらなくてもと。目の当たりに見せられる奇跡なんか、白々しくなってしまう。深淵なことをアカラサマにしたとたん怪しげに映る。信仰を題材にした映画のつもりで見ていたらそうではなかったようだ。
「アメリカン・バーニング」(16年 米・香港)原題:American Pastoral
高校ラグビーの元スター選手(ユアン・マクレガー )と高校のマドンナでミス・アメリカ
の州代表(ジェニファー・コネリー )のアメリカン・ドリームを絵にかいたようなカップル。カトリックとユダヤの宗教の壁を乗り越え結婚したが娘(ダコタ・ファニング)が成長するにつれて夫婦がうまくゆかなくなる。まずは娘の吃音、反戦運動、カルト宗教に凝るなど夫婦の頭痛のタネは尽きない。
出口の見えない暗い映画。これでもか、これでもかと不幸の連続。不幸の大きさは違っても、ジンセイこんなことの繰り返しかもしれないが、映画でこれをやられると救いがないではないか。それにしても三役のキャスティングが素晴らしい。映画化決定から撮影開始まで長い時間を要し、キャスティングも相当もめたというが、映画を見たらほかの組み合わせが考えられないの出来。ただ、辛くて2度は見たくない映画。
ユアン・マクレガーの初監督映画。おいおい、初なのになんでこんな暗い作品を選んだんだと。
原題のPastoralは田園詩の意味、田舎とでも訳したほうがいいのだろう、つまりはアメリカの田舎で起きた出来事ーみたいな意味か。原作はフィリップ・ロスの同名の原作だが、wikiによれば映画は原作とかなり違うらしい。
2024年6月30日日曜日
2024年6月20日木曜日
ロバの耳通信「SPOOKSスプークスMI-5」「スノーホワイト-氷の王国ー」
「SPOOKSスプークスMI-5」(15年 英)原題:MI-5
時間を忘れるほど夢中で見た。イギリスのスパイものが面白いのは伝統か。MI-5英国情報部内にテロリストの内通者がいることを知った情報部員が元部下と共に内通者を突き止めるというスジ。ラストのどんでん返しで、内通者がCIAと結託することでMI-5長官の席を狙う上級職員だったことが明かされるが、それまでは誰がワルモノかわからず、派手さのないアクションとジワジワと真実に迫る英国流の謎解きを楽しめた。
主人公の血の気の多い元諜報部員役にキット・ハリント(「ゲーム・オブ・スローンズ」(米テレビドラマ))、老練情報部員役のピーター・ファースが秀逸のスパイらしさ。さらにアメリカ生まれの英女優ジェニファー・イーリーがいつもの”冷たい表情の上級奥様風”で幹部役で出演していて、楽しめた。普段の英国ではキレイな女性なんかついぞみることはないのにこの映画の配役は皆、揃って美人。皆、女優だから当たり前といえばそうなのだが、現実との乖離が大きいとかなりの違和感。
英国で大ヒットのBBC製テレビシリーズ「MI-5 英国機密諜報部」をもとに作られた映画だというから、オリジナルの動画サイトへのアップロードを待つことにしよう。
「スノーホワイト-氷の王国ー」(12年 米)原題: Snow White & the Huntsman
原作はグリム童話の「白雪姫」。「本当は怖いグリム童話」みたいな本かマンガを読んだ「トワイライト」シリーズのベラ役(08年~))ってゼッタイオカシイ。
記憶があるが、この作品も十分残酷で怖い。主人公の白雪姫役にクリステン・スチュワート(
ダークファンタジーだし最後は継母の心臓に短剣を刺す役だから純潔無垢ばかりの美しいお姫さまというわけにはいかないだろうけど、ゼンゼンキレイじゃない。ディズニー映画の白雪姫のつもりで見ていた方も問題なんだろうけど、同じ年に公開された「白雪姫と鏡の女王」(米)の白雪姫役の英女優リリー・コリンズの輝くほどの美しさとはえらい違いだ。
継母役のシャーリーズ・セロン、この俳優、あまり好きじゃないのだけども、この映画では実にイキイキしていて気に入った。こういう本当は魔女で邪悪な継母役がピッタリ。この役でティーン・チョイス・アワード映画部門「ヒステリー賞」なんて賞を獲った(wiki)とあったけど、わかる気がする。
時間を忘れるほど夢中で見た。イギリスのスパイものが面白いのは伝統か。MI-5英国情報部内にテロリストの内通者がいることを知った情報部員が元部下と共に内通者を突き止めるというスジ。ラストのどんでん返しで、内通者がCIAと結託することでMI-5長官の席を狙う上級職員だったことが明かされるが、それまでは誰がワルモノかわからず、派手さのないアクションとジワジワと真実に迫る英国流の謎解きを楽しめた。
主人公の血の気の多い元諜報部員役にキット・ハリント(「ゲーム・オブ・スローンズ」(米テレビドラマ))、老練情報部員役のピーター・ファースが秀逸のスパイらしさ。さらにアメリカ生まれの英女優ジェニファー・イーリーがいつもの”冷たい表情の上級奥様風”で幹部役で出演していて、楽しめた。普段の英国ではキレイな女性なんかついぞみることはないのにこの映画の配役は皆、揃って美人。皆、女優だから当たり前といえばそうなのだが、現実との乖離が大きいとかなりの違和感。
英国で大ヒットのBBC製テレビシリーズ「MI-5 英国機密諜報部」をもとに作られた映画だというから、オリジナルの動画サイトへのアップロードを待つことにしよう。
「スノーホワイト-氷の王国ー」(12年 米)原題: Snow White & the Huntsman
原作はグリム童話の「白雪姫」。「本当は怖いグリム童話」みたいな本かマンガを読んだ「トワイライト」シリーズのベラ役(08年~))ってゼッタイオカシイ。
記憶があるが、この作品も十分残酷で怖い。主人公の白雪姫役にクリステン・スチュワート(
ダークファンタジーだし最後は継母の心臓に短剣を刺す役だから純潔無垢ばかりの美しいお姫さまというわけにはいかないだろうけど、ゼンゼンキレイじゃない。ディズニー映画の白雪姫のつもりで見ていた方も問題なんだろうけど、同じ年に公開された「白雪姫と鏡の女王」(米)の白雪姫役の英女優リリー・コリンズの輝くほどの美しさとはえらい違いだ。
継母役のシャーリーズ・セロン、この俳優、あまり好きじゃないのだけども、この映画では実にイキイキしていて気に入った。こういう本当は魔女で邪悪な継母役がピッタリ。この役でティーン・チョイス・アワード映画部門「ヒステリー賞」なんて賞を獲った(wiki)とあったけど、わかる気がする。
2024年6月10日月曜日
ロバの耳通信「デス・ウィッシュ」「孤独なふりした世界で」
「デス・ウィッシュ」(18年 米)原題:Death Wish
チャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」(Death Wish 74年 米)のリメイクで主演がブルース・ウイルス。前作では、小心のブロンソンが妻子が凶悪犯罪に巻き込まれてから、復讐心から銃を手にしタフガイに変化してゆく様に共感と喝采を送ったが、本作のブルース・ウイルスは外科医の設定ながら、最初から強面。犯罪で妻を失い、娘が瀕死となった父親が犯罪者を憎み狼に変わって行くーという一番いいところがまるで伝わってこない。
不死身(「ダイ・ハード」)のブルース・ウイルスを主演に持ってきたのはミスキャストだと思うし、ブルース・ウイルスはもはやパクリみたいなリメーク作品に出るほど窮してるのかと幻滅。犯罪が減っていないアメリカ大都市の社会問題提起なのか、自警団推奨が主題なのか、ただのアクション映画なのか。どっちにしても薦められない映画。
「孤独なふりした世界で」(19年 米)原題:I Think We’re Alone Now
疫病か何かで町の人が死に絶え、唯一人生き残り、死者を埋葬するだけの生活を送っていた小人症の男(ピーター・ディンクレイジー「ゲーム・オブ・スローンズ」(09年~ 米HBO)ほか)。薄暗い図書館で暮らす彼のもとに現れたひとりの少女。孤独を慰め合いながら一緒に暮らすうちに、少女の両親と言う男女が現れ連れ帰ってしまう。
ほぼ照明がなくなった町、ふたりになってからもセリフは殆どないから、押し包むような孤独感は半端ない。
大好き終末世界サバイバル映画。無人のスーパーで値段も見ないでカートにポンポンと食糧などを放り込むなんて、結構あこがれていいて、まあ、多少のお金ならあるし、近所のスーパーで一度やってみたいとも思うのだが、タダでもらうのとお金を払うのは気分がちがうだろうな、と。
チャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」(Death Wish 74年 米)のリメイクで主演がブルース・ウイルス。前作では、小心のブロンソンが妻子が凶悪犯罪に巻き込まれてから、復讐心から銃を手にしタフガイに変化してゆく様に共感と喝采を送ったが、本作のブルース・ウイルスは外科医の設定ながら、最初から強面。犯罪で妻を失い、娘が瀕死となった父親が犯罪者を憎み狼に変わって行くーという一番いいところがまるで伝わってこない。
不死身(「ダイ・ハード」)のブルース・ウイルスを主演に持ってきたのはミスキャストだと思うし、ブルース・ウイルスはもはやパクリみたいなリメーク作品に出るほど窮してるのかと幻滅。犯罪が減っていないアメリカ大都市の社会問題提起なのか、自警団推奨が主題なのか、ただのアクション映画なのか。どっちにしても薦められない映画。
「孤独なふりした世界で」(19年 米)原題:I Think We’re Alone Now
疫病か何かで町の人が死に絶え、唯一人生き残り、死者を埋葬するだけの生活を送っていた小人症の男(ピーター・ディンクレイジー「ゲーム・オブ・スローンズ」(09年~ 米HBO)ほか)。薄暗い図書館で暮らす彼のもとに現れたひとりの少女。孤独を慰め合いながら一緒に暮らすうちに、少女の両親と言う男女が現れ連れ帰ってしまう。
ほぼ照明がなくなった町、ふたりになってからもセリフは殆どないから、押し包むような孤独感は半端ない。
大好き終末世界サバイバル映画。無人のスーパーで値段も見ないでカートにポンポンと食糧などを放り込むなんて、結構あこがれていいて、まあ、多少のお金ならあるし、近所のスーパーで一度やってみたいとも思うのだが、タダでもらうのとお金を払うのは気分がちがうだろうな、と。
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