妻(ナオミ・ワッツ)を失ったアメリカ人(マシュー・マコノヒー)が自殺するために青木ヶ原を訪れ、そこで謎の男(渡辺謙)と出会うというただそれだけの物語。ヒネリは、アメリカ人は自らの浮気のため妻とは不仲だったのが、妻のガン治療からの回復とその後の交通事故で妻を失っていた。謎の男はどうも、森の精とか死んだ妻の霊だったかとか曖昧のまま。
映画の中の青木ヶ原は明るく、川もある。アメリカ国内のどこかの森でロケしたらしく、陰鬱で暗い溶岩だらけの本当の青木ヶ原のイメージじゃないし、アメリカ人がなんで日本まで自殺に来るんだ?ナオミ・ワッツのヒステリー女ぶりはゾッとする迫真の演技だし、アメリカ女ってのはだいたいそんなものだと想像するが、ナオミの怒った顔は怖い。マシュー・マコノヒーは有名な俳優らしいが、この映画ではダイコン。渡辺謙は好きな役者だが、存在感がない。幽霊みたいな役だから、まあ、いいのか。
題名もポスターもスピリュチアル感いっぱいだが、実際のところは男が森の中をウロウロするだけの映画。保証する、時間の損。
「エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略」(15年 デンマーク)

戦争シーンはあるが、ほぼ小銃や機関銃だけで、一方的にドイツ軍の機甲部隊に追いつめられ、あっという間に降伏してしまうから邦題からドンパチを期待していると違和感を憶えてしまう。
デンマーク軍の上級将校たちは皆、無責任。ドイツ軍が来てる、どうすればーに対し、待機せよ。圧倒的な兵力にやられている、どうすればーに対し、後方で別部隊と合流せよ。兵隊はもとより、将校たちも自律的な働きができない。
ドイツ軍将校がえらく紳士的に描かれているから、この映画がデンマーク映画かと疑う。戦争なんか、結局は不条理なものだから、こういう自虐的なものもあってもいいのだろうが、それにしてもこの映画が何を観客に訴えたかったの。デンマーク軍への当てつけか。
戦場で兵隊たちに頼られながらもうろたえ、最後は降伏してしまう少尉役のピルー・アスペック、結構見る顔じゃないか。スカーレット・ヨハンソン大活躍のハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」(バトー役17年 米)とか「オーヴァーロード」(主演 18年 米)とか、デンマークの俳優とは知らなかった。
少尉の上官のこれも頼りない将校役で出ていたラース・ミケルセンも結構有名な俳優らしい。名前に見覚えがあるからチェックしたら「ハンニバル」シリーズ(14年~ 米テレビ)でハンニバル博士を好演のデンマーク出身マッツ・ミケルセンの兄らしい。
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