
主役が二段アゴのデブ女メリッサ・マッカーシーでゲンナリだが、アクションシーンなんかも結構丁寧な造り。「007ジェーム・スボンド」シリーズ(62年~ 英)と「ジョニー・イングリッシュ」シリーズ(11年~英)を足して割ったCIAスパイアクションモノ。「007」は、とんでもないアホ話に大スターが大真面目でアクション演技をするこそばゆさ、「ジョニー・イングリッシュ」は、桁外れのばかばかしさを感じながらもシリーズを楽しんでいたのだが、「SPY/スパイ」は、大真面目アクションをジェイソン・ステイサム、ジュード・ロウが、ばかばかしい方をデブ女がと分担、パクリなりに面白かった。
世界のほぼすべてで公開されていて、配給も20世紀フォックスと最大手なのに、日本では劇場公開されずDVDやヤミ動画で見るしかない。なぜ日本だけ劇場公開されなかったのだろう。
「アメリカン・サイコ」(00年 米)
投資会社のヤングエリート、クリスチャン・ベールは快楽殺人鬼だった。(レオナルド)ディカプリオが候補だったこの役をクリスチャン・ベールを引き継いだと。ディカプリオの幼い顔より、クリスチャン・ベールの狂気がずっと似合っている。
ふた昔の前の映画なのに、ウオール街の町並みはガラスのビルに囲まれ、ヤングエリートが集うクラブは革と葉巻の匂いのするソファーやコカインを吸うための小部屋、住まいは管理人つきで夜景がきれいな高層マンションのペントハウス、窓には天体望遠鏡、クローゼットにはダークスーツが並ぶ。憧れを通り越した夢のエグゼプティブの暮らしは、古さを微塵も感じさせない。
高級レストランで意味不明の料理を食し、パーティーではよく知らない友人たちや群がる女たちと意味のない馬鹿笑い。金持ちの暮らしとはこういうものなのか。空しいと感じさせても、憧れとのバランスはとれない。
同僚を斧で殺し、娼婦をチェーンソーで追いかけまわし、顧問弁護士に殺人を告げても信じてくれない。だから、空しい暮らしは変わらない。
楽しくも面白くもないが、忘れられないいい映画だった。同名の原作本(95年 角川文庫)があり、ソッチのほうがずっと過激で重苦しいらしい。また、読みたい本が増えた。
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