2023年2月20日月曜日

ロバの耳通信「サン・オブ・ゴッド」「パラサイト・クリーチャーズ」

「サン・オブ・ゴッド」(15年 米)

キリストの伝記映画。聖書やキリストを題材にした映画をいろいろ見てきたが、この映画が一番良かった。いままでよく知らなかったイスラエル、当時イスラエルを統治していたローマ軍、ユダヤ人などの背景となる歴史もわかりやすかった。キリストが起こした奇跡も、海を真っ二つにしたり、そんな大げさなものもなく、落ち着いて見られたが、定石とも言えるユダの裏切りなどがあからさまに描かれていたのは、残念。そもそも、この誰かによって作られたこの聖書物語がヒットラーによるユダヤ人迫害や、中東戦争の要因になっているから。吹き替え版で見たキリスト役のポルトガルのイケメン俳優のディエゴ・モルガドの表情や静かに響く声が良かった。タイトルバックの回教の経文のようなテーマ曲も、効果音楽(ハンス・ジマー)も良かった。
この映画の元となっているのが聖書を題材にした全10話のミニシリーズ「ザ・バイブル」(13年 米テレビ:ヒストリー・チャンネル)だとwikiにあり、キリスト役は映画と同じディエゴ・モルガドだと。探してでも見たい。

「パラサイト・クリーチャーズ」(13年 オーストリア)

アルプスの山中で見つけた謎の生物は昆虫と哺乳類のアイノコだったというホラー話。あげくのはては犬と人間のアイノコまで登場。この手の映画、アイノコの作り込みをちゃんとしてくれないと怖さが伝わらない。ありえない話に怖さを持たせるには、ありそうな話にする合理的だと思わせるストーリー展開と、観客をたじろがせるバケモノの出来、リアリティーじゃないかな。「エイリアン」を初めて見たときの衝撃をワタシは忘れない。

アルプスの観測所を視察に来て、バケモノと闘うハメになる大臣がマッチョ風の中年女というのがなんとなく、女性の政治家が多いと言われているオーストリアらしいのかな。

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