2023年11月10日金曜日

ロバの耳通信「ボックス21」「ハウス・ジャック・ビルト」気味悪かった本と映画

 「ボックス21」(09年 アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム ランダムハウス講談社文庫)

管理売春の犠牲者が入院している病院の霊安室に人質をとって閉じこもった。スウェーデンのクライムノベルでアンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレムだからもちろん明るい話ではない。このところ、北欧のシリーズものの暗いテレビドラマにはまってしまい、動画サイトで見ることのできるものもネタ切れ。ついにクライムノベルの禁断症状を起こし図書館に。外国文学の文庫の棚にまっしぐらで英米、ドイツ、・・を飛ばし「その他の欧州」の棚でコレを見つけた。著者名に憶えがあったから、何冊か読んでいるはずなのだがと、とりあえず借り出し読んだ。

映画だったら間違いなくR指定だと思われる500ページ強の長編で救いのない暗さと生臭さだったが、ラストの3行で思い切り頬をひっぱたかれた。おいおい、そりゃないだろう、と。久しぶりの揺さぶられるようなショックと絶望感。うーん、このシリーズ、もう一度おさらいせねば。

「ハウス・ジャック・ビルト」(18年 デンマーク・仏ほか)原題:The House That Jack Built

マット・ディロンが70年代に実在した連続殺人犯ジャックを演じていて、気味が悪いくらい役に合っていた。建築家を目指すジャックが口うるさい女をジャッキで殺すシーンは、うん、こういう目にあったらワタシも切れるだろうと思われるくらい同情したが、その後の殺人はやっぱり強迫性精神病というかサイコキラーだなと。クライムやホラー作品は好きだが約200分の殺人シーンの連続は気味悪く途中でメゲ、見終わってホッとした。

死体を積み上げて家を作るところや、地獄のの炎に落ちてゆくところはデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督の味。

0 件のコメント:

コメントを投稿