2024年4月20日土曜日

ロバの耳通信 「ファインド・アウト」「パーフェクト・ルーム」

 「ファインド・アウト」(12年 米)原題: Gone


ジツのところ、アマンダ・セイフライド(「レ・ミゼラブル」(12年 米)コゼット役)が好きじゃない。嫌いなのはあの目かな。だから、誘拐モノ、犯人捜しの本当は面白い筈のストーリーも、アマンダの顔見てるだけでイライラが募るだけ。じゃあ、見なければいいのにという考え方もあるが、見始めたら最後まで見なきゃならない貧乏性。主人公のアマンダを全く信用せず、妹の失踪を妄想だと片付けてしまう刑事の気持ちのほうにより、共感。

当時、アメリカで社会問題とされていた、女性の誘拐事件の多さがこの映画のテーマらしい。ラスト近くで、犯人は主人公に殺されてしまうが、スッキリしない終わり方に余計、イライラ。


「パーフェクト・ルーム」(14年 米・ベルギー)原題:The Loft


ヒット作のベルギー映画「ロフト」(18年)のハリウッドリメイク作品。5人の男たちが、妻たちに隠れて愛人と逢うために共同で借りたマンションの一室に残された美女の全裸死体。

犯人捜しのミステリーは充分楽しめたが、ワタシには人の顔や名前をなかなか覚えられないという致命的な欠陥があり、しかもその名前が、ビンセント、クリス、ルーク・・といった横文字だし、この男のカミさんがアレで、愛人がアレで、とかゼンゼン頭にはいっていないから、登場人物の多いミステリー洋画はいつも苦労する。

これが文庫本だと、主な登場人物を紹介したリストがあるし、韓国ドラマとかはあらかじめ顔写真つきの人物相関図を準備して見始めるのが常。

よくそれで長くビジネスマンやってたねといわれそうだが、自分なりの工夫をしていたんだよ。自分にとって重要な人との初対面の際は、手帳に日時、氏名のほかに、推定年齢、簡単な似顔絵、似てる有名人など、その人を特徴付け、記憶するためのメモを書き込みしていたね。ハナシの途中で聞きだしたその人の趣味なども。

見終わった「パーフェクト・ルーム」も、結局犯人が誰だったかも良く憶えていない。そんな記憶力だから、映画や本は何度でも楽しめるし、レンタルビデオ・DVDの時代は同じものを2度も3度も借りてきて、家族に良く笑われた。

2024年4月10日水曜日

ロバの耳通信「ジュピターズ・ムーン」「Mr.& Miss.ポリス」

 「ジュピターズ・ムーン」(17年 ハンガリー・ドイツ)原題:Jupiter holdja

ハンガリー国境で撃たれたシリア難民の少年が空中を浮遊する能力を手に入れ、それを利用し金儲けを企む医師。医師は医療ミスで多額の賠償金を求められていたというスジ。突然の体の変化で戸惑う少年と欲丸出しの医師の旅。暗いイメージのハンガリーの病院と病気を早く見てもらいたいと押し寄せる難民たち。

何を示唆していたのだろうか。少年の戸惑いも医者の失意と欲望もなんとなくわかる。少なくとも楽しい場面や和むところもないから、娯楽作品でないことはわかる。映画の終わり方も放り出すような感じ。戸惑いと暗い気持ちだけが残った。ポスターは目を引くが、勧められる映画ではない。


「Mr.& Miss.ポリス」(14年 米・ロシア)原題:Black Rose

舞台はロサンジェルス。連続して発生しているロシア女性の殺人事件の捜査が進まないことに業を煮やした警察幹部はロシアから捜査員を呼ぶ。ロシアから来た特殊部隊出身の捜査員が、プロファイラーのネェちゃんと組んで大活躍。ひどい邦題はココからきているのか。原題の Black Rose は殺されたロシア女性が咥えさせられていたバラ。

映画は粗っぽいツクリで、見るに堪えないどうしようもない作品だが、渡米したロシアの捜査員を出迎えたロサンジェルス市警の刑事が街を案内、大都市の光と影を説明し、浮浪者とゴミだらけの街を見せるシーンが良かった。B級映画でもなにかの思いを込めたところ、矜持みたいなものを確かに感じ取ったよ。

シュワちゃんがロシアンマフィアを退治にシカゴに乗り込む「レッドブル」(88年 米)で、安宿のテレビ番組をチラ見して”キャピタリズム(帝国主義)”と吐き捨てるように言ったセリフを耳にしたときと同じ気持ち。