2016年12月24日土曜日

ロバの耳通信「私たちが好きだったこと」

「私たちが好きだったこと」(98年 宮本輝 新潮文庫)

夜中に読んでいて、気が付いたら鼻が膨らんでいてハナミズが詰まって、マブタの端からミズが流れていた。女と同棲していた頃を思い出し、なつかしさに胸がイッパイになって。いや、実は同棲なんぞしたことはないから、そんな気がしただけ。

優しくワガママな4人の男女の出会いと別れの青春物語。普通の結婚をして平凡な暮らしをしてきた私にはうらやましいほどの夢物語が切ない。しおりのかわりに挟んだ指まで何度も振り返って読んだところがたくさんあったから、結末がわかったけれど、反芻するために最初からまた読もう。
この文庫本の表紙はいけない。トレンディー風というか軽すぎ。いや、このトレンディドラマが本筋で、経験もないシェアハウス生活に妄想を膨らませ、懐かしがって深読みしたワタシがオカシイのかもしれない。

著者については学生時代にかぶれた宮本百合子、のダンナ(宮本顕司元共産党委員長)だと勘違いしていたし、あんなに感動した映画「泥の河」(81年邦画)の原作者とは知らなかった。「私たちが・・」も映画化されているとのことだが、4人の配役が本のイメージとかなり違うようだし、映画評はあまりよくないようだから、・・やめとこう。

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