「ポストマン」(97年 米)
壮大なストーリーと音楽。昔のハリウッド映画って、こうだったと懐かしい気持ちで楽しんだ。近未来、悪の集団を逃げ出した旅役者(ケビン・コスナー、監督も)が郵便配達車で手に入れた郵便配達人(ポストマン)の制服を着て街を廻るうちにすっかりその仕事に目覚めてしまう。無償で手紙を届けるポストマンはどこの街でも尊敬され、次のポストマンを生んで行き、悪との対決で勝利する。アメリカ合衆国は私たちの誇り感満載のいたってお気楽なストーリーなのだが、アメリカの自然あふれる風景と素晴らしい映画音楽(ジェームズ・ニュートン・ハワード)で3時間を長く感じさせない。
ポストマンの妻となる英女優、50歳の今はきつめの表情があまり好きではないが、この映画の撮影当時30歳頃のジェームズ・ニュートン・ハワードがなんとも美しい。うん、女は変わる。
「スプライス」(09年 カナダ・フランス)
原題のSPLICEは、(遺伝子)組み換えの意味。「CUBE」(97年 カナダ)のヴィンチェンゾ・ナタリ監督の手によるヒトと複数の生物のDNAで「人間モドキ」を作ってしまうという、超コワSF。まあ、ハエ男「ザ・フライ」(58年、86年、89年 米)みたいなストーリーだから、もはやありふれた題材ともいえる。妙にソソられる表情の人間モドキ♀(デルフィーヌ・シャネアック)にオタク科学者(エイドリアン・ブロディ、実に気味悪い役だが彼の役はだいたいこうだ)が誘惑されるところはゾッとするがあこがれもする。。
近年はやりのアンドロイド受付嬢はセックスドール(ダッチワイフ)の延長だと思う。これらは男の永遠の夢で、「スプライス」で作り出した人間モドキ♀も気まぐれでワガママだった。うーん、ワタシがあこがれるのはそう美しくなくてもいいから、いつも優しいイイナリの人間モドキ♀(はい、この表現がとんでもない女性蔑視だと充分に理解しております)。
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