2023年1月10日火曜日

ロバの耳通信「ジェノサイド」「秘密」「ゼロの焦点」

朝から雨、予報だと明日の夕方までだと。出かけるのも億劫だし、ということでひとり映画会。カミさんは前に読んだ「ジェノサイド」(11年 高野和明 角川書店)をまた読むということで遊んでくれない。

「ジェノサイド」は難病(肺胞上皮細胞硬化症)の治療薬を研究する青年、その難病に苦しむ息子を持つ特殊部隊の傭兵の物語。SF風で冒険あり謀略ありの大作で、ワタシもめっちゃ面白く読んだからカミさんが雨の日にまたゆっくり読みたいという気持ちもよくわかる。

「秘密」(99年 邦画)

で、見たかった映画リストの中から今日は「秘密」にした。ワタシは大変な広末涼子ファンで、書きだしたら止まらないほど広末の映画を見て「まいって」きたが、この「秘密」の広末も可愛かった。同名の東野圭吾の原作で、交通事故で母娘一緒に事故に遭い、死んでしまった母(岸本加世子)に成りすました娘(広末)が残された父(小林薫)と一緒に暮らすという物語なのだが、映画では(当たり前だが、原作でも)死んだ母のタマシイが娘に乗り移るという設定でなかなか面白かった。広末と小林は日本アカデミー優秀主演女・男優賞を取っているが、監督(滝田洋二郎)のチカラも大きいと思う。滝田と広末のコンビでは、広末が日本アカデミー賞をとった「おくりびと」(08年)もよかった。

広末の魅力とは何なんだろうと考える。カミさんに言わせれば、そう美人でもないと。あの顔と声なんじゃないかと思う。

「ゼロの焦点」(08年 邦画)

新婚まもない夫(西島秀俊)が北陸で行方不明になり、必死に探す新妻(広末)。夫には知らない過去があり、戦後アメリカ兵相手の売春婦をしていたふたりの女(中谷美紀、木村多江)の存在も。同名の原作は松本清張。玉音放送や戦中のモノクロ記録フィルムで始まるモノローグも、時代も、ストーリーも、場所も季節もすべてが暗い。輝くような広末の白無垢姿も、表情はなんだか暗い、そのあとの出来事を予感するように。少し年を取ってからの広末は暗い作品が似合う。中谷美紀の冷たさとも木村多江の哀しさとも違う。それにしても、だ。ヒロスエはいいね。

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