
若いイスラム教の青年、原題のClean Skin は「前科がない」という意味で、この普通の青年がテロリストにされてゆくところや、希望のない暮らしのなかで陰のある青年に惹かれる英国の若い女性の描き方など、多人種国家ゆえの混乱の英国の今につながっている気がする。
ショーン・ビーンがほんのこの間まで夢中になっていた「ゲーム・オブ・スローンズ」(13年~ 米テレビドラマ)の「北の王」エダード・スタークをやっていて、その印象が強くて、ショーン、ここではテロリストと闘ってるのかとしばしアタマが混乱しつつも、しっかりミステリーを楽しめた。
「王様のためのホログラム」(16年 米)
元自動車会社の重役(トム・ハンクス)、業績悪化で退職。家も車も妻も失い、ひとり娘の養育費を稼ぐために3D会議システムの販売にサウジアラビアに。売り込み先のサウジの王様にはなかなか会えず、本国の3Dシステム会社から毎日、やいのやいのとセッツキの電話。つもり積もったストレスにまいってしまい、背中にできた脂肪の塊は悪化するわ、呼吸困難になるわの時に助けてくれたのが、離婚調停中のサウジ女医。3D会議システムの売り込みには失敗するも、女医と懇ろになりサウジに職を得て女医と新生活ーと、漫画のようなオカシな「大人の夢物語」。映画的には、サウジの中年女医が、若くも、キレイでもなんともなく、そうハッピーには思えないが、まあ、いいかと。
トム・ハンクスの「ビッグ」(88年)、「ジョー、満月の島へ行く」(90年)、「フォレスト・ガンプ/一期一会」(94年)、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(94年)など、面白みのある役柄も合うから、結構見ているし、シリアスなものも含めて、外れがほとんどないから、こうやって wikiで作品を掘り出しては、見ている。
サウジとの仕事をしたことがないが、エジプト出張では王様のようなエライひと、ただしこの国にはそんなのが何人もいて、まあ旧家の名士くらいの意味らしいが、そういう人たちと禅問答のような話をした憶えもあるから、トム・ハンクスの持って行き場のない焦燥感のような気持ちがわからないでもなかった。ちなみにワタシの商談も失敗。砂と不味いメシと暑いだけのエジプトは一度で懲りたが、「王様のためのホログラム」で見たまっすぐ伸びたハイウェイと宮殿のようなホテルは憧れる。サウジは王様とかのツテがあればぜひ行ってみたいともおもったりするのだが、そんなツテなどあるわけもない。
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