
こういう小説もアリだと思う。ハッピーエンドのための辻褄合わせなんかもナシ。だから、”どん詰まり”のまま。読後感のストレス100%・・。
「銀行占拠」(10年 木宮条太郎 幻冬舎文庫)
行員が立てこもった信託銀行。システム侵入で、シャッターも開かない、ATMも使えない。不祥事を公表するぞと脅かされ、うろたえる経営陣。池井戸潤(「半沢直樹シリーズ」(07年~文春文庫))の銀行モノを彷彿させる面白さ。まさに映画のような緊迫の展開。惜しむらくはラスト、これはないんじゃないかな。裏ですすんでいた信託銀行の解体と買収で、事件にならずリセットとかぁ、そこだけ何度か読み直したのだがイマイチ。信託銀行なんか、貧乏人の一般人は関係ないところではあるけれど、こういう終わり方ってあるのか。
まあ、予想と違ってていただけということなのだろうが、なんだかね。銀行の隠された不祥事が世間にぶちまけられ、銀行は崩壊とか、犯人は正義のヒーローとしてもてはやされる、なんてほうが面白かったか。
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