2023年8月10日木曜日

ロバの耳通信「死霊館のシスター」「メタルヘッド」

「死霊館のシスター」(18年 米)原題The Nun

なんて安っぽい題だなーと舐めていたら、とんでもなく面白い映画だった。スジはルーマニアの修道院で起きた変死事件を調査するために神父と修道女が派遣され、悪魔祓いを行う、とそれだけの話なのだが安っぽいB級怪談映画とかとは大きく違い、筋立てがキチンとされているためワケ不明で突然オバケがでてきたりはしない。どこかの修道院か古い教会を借り切ってのロケも手抜きがなく、CGもよくできていて感心。
映画で学ぶことは多い。映画のなかで”しゅうせいせいがん”ー吹替なのでこう聞こえる言葉が何度か出てきて戸惑っていたら、修道女が悪魔と本格的に戦うために「終生誓願」の儀式を神父に依頼するところで、ああそういうことなのかと理解。
修道女役のタイッサ・ファーミガがあまりにもピッタシだったのこれも調べたら両親はウクライナからの移民だと。普通に可愛いとかキレイ以上の魅力があった。
あまりに面白かったのでwikiでチェックしたら、「死霊館シリーズ」(13年~)のひとつらしい。題名だけを見てバカにして悪かったと反省して、このシリーズ見てみよう。

「メタルヘッド」(11年 米)原題 Hesher

古い映画。見終わって、長い間映画館やネットやDVDと付き合ってきた筈なのに、こんないい映画、なんで今まで知らなかったんだと口惜しかった。雨の日のヒマツブシにたまたま覗いたGyaoで発見。最高に良かった。

自動車事故で母を失った少年と放浪人Hesher(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の出会いと別れ。少年の父は妻を失くした喪失感から抜け出せずテレビと精神安定剤に頼る暮らし。優しい祖母は痴呆気味でベッド生活。たまたま知り合ったHesherは少年と父、祖母の暮らす家に勝手に居候。少年を虐めから救ってくれたスーパーのレジのおばさん(ナタリー・ポートマン)に思いを寄せる少年だが、尋ねたおばさんの家でおばさんとHesherのベッドシーンを目撃。この映画のキャッチコピー”最悪の人生にファック・ユー!”そのもの。祖母の葬儀でも大暴れのHesherがハチャメチャだが、こんなに哀しくて、愛情に満ち溢れた映画はない。ラストシーンは泣くよ。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット(「LOOPER/ルーパー」(12年 米)、「スノーデン」(16年 米)もナタリー・ポートマン(「レオン」(94年 仏米)、「ブラックスワン」(10年 米)ほか)ふたりとも大ファンだから、余計にこの映画への思い入れも強くなってしまったかも。少年を演じたデヴィン・ブロシューが良かった。

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