2024年12月10日火曜日

ロバの耳通信「原発サイバートラップ」「それでも、警官は微笑う」

「原発サイバートラップ」(18年 一田和樹 集英社文庫)

韓国の原発がハッキングされ、世界中のサイバーセキュリティー会社が対応に乗り出すが、ウラがあったというのがスジ。著者はIT企業の経験者だと。書下ろしの発表は16年だというが、今日、明日おきてもおかしくないサイバーパニックものだ。毎日ネットを使い、セキュリティーソフトにそれなりの安心料を支払ってはいるがどういう仕組みかも全くわかっていない。そういう不安を焚きつけられるような小説。わからないことばかりだから面白かったというより、思い切り怖かった。


「それでも、警官は微笑う」(06年 日明恩(たちもりめぐみ)講談社文庫)

著者の名前が覚えられない。文字を見てもヨミを思い出せない。「それでも、警官は微笑う」は刑事モノなのが、武本刑事(強面先輩)、潮崎刑事(御曹司の相棒)、宮田麻取捜査官の際立ったキャラは楽しい。掛け合い漫才のような会話もなんともほほえましい。しかし、刑事モノに謎解きやハードボイルドを好みとする私には、なんだか歯応えがなくて受け入れられない。

この作品はメフィスト賞を受賞しているし、武本&潮崎シリーズとしてもう2作品も好評らしいが、女流作家が頭だけで刑事モノを書くとこうなるのかという浅薄さが鼻につき(偏見!)、途中で放棄してしまった。

通っている図書館は、キホン2週間+延長2週間という長い貸し出し期間があるし、もともと速読なので普段は文庫本一冊くらいは半日でチャッチャ片を付けるのだが、コレはいけなかった。いちばん捗る就寝前を当てたのだが、しおりの代わりに挟んだポストイットは遅々として前に進まない。そのうち浮気をして読み始めたほかの本のほうが面白くて置いてきぼり。
で、覚えられない著者名の本を次に手に取る機会はないような気がする。単にいつもの「相性が合わないらしい」というだけ。日明さん、ごめんなさい。

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