「5人のジュンコ」(16年 真梨幸子 徳間文庫)
金持ちのジジイに金を出させては殺してしまう連続殺人犯の佐竹純子と純子に関わりのある4人のジュンコの物語。出てくる女たちが皆、嫌気がするほど不快。どこかで起きた事件をモデルにしていると確信できるノンフィクションのような小説を、深淵の中の他人の不幸を覗き見る下世話な喜びも感じながら読み、作者の取材力に脱帽ーしていたのに。読み終えて、巻末の【参考文献】を見て困惑。
「毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記」 (13年 北原みのり 講談社文庫)と「誘蛾灯 鳥取連続不審死事件」 (13年 青木理 講談社)ーなんだ、参考文献だと、ただのパクリじゃないか。
真梨幸子は私には初めての作家で、裏表紙の著者解説を読むとクライムノベル作家だと紹介されていて、この「5人のジュンコ」の面白さに、好みの作家に出会った嬉しさを感じていたのに。
映画を小説にして、ノベライズと称し作家面をしているヤカラに苦々しさを感じているのと同じ、残念な気持ち。
「花酔ひ」(14年 村上由佳 文春文庫)
直木賞受賞作の短編集「星々の舟」(06年 文春文庫)の「雪虫」が気に入って続けて
読んだ「花酔ひ」。読み出しは和服屋を継いだ麻子の着物への思い入れの語りや京都弁など、見知らぬ世界は興味深く引き込まれていったのだが、結局はソレかと食傷。ソレとしか言いようのない淫靡な官能小説。それもダラダラと続く。男と女って、結局ソレしかないのかと、村上由佳とエロに落ちた文春文庫に失望。まいった。
「イノセント・デイズ」(17年 早見和真 新潮文庫)
辻村深月の解説を読み、巻末の2ページ分びっしり書かれた参考文献のリストを見て、大好きなノンフィクションの匂いを嗅いだのだが、ダラダラ続く文章に早々と挫折。良い題材なのにな。
「突破」(03年 西村健 講談社文庫)
裏表紙のツリ”豪快探偵・大文字が活躍する、息もつかせぬ痛快娯楽小説”に釣られて、半分くらいまで読んだが、あまりのつまらなさに挫折。何が、私の嗜好に合わないのかがどうしてもわからない。大げさフィクション、荒唐無稽はキライじゃないのだが。
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