「王の涙 イ・サンの決断」(14年 韓)
これは面白かった。朝鮮王朝第22代国王イ・サンの暗殺計画を題材にした映画で、勧善懲悪に拘りすぎず、王の側と暗殺者側からのそれぞれの視点で丁寧に描いているのが興味深かった。韓国の時代劇は、華美な衣装や宮廷の内装など映像美に凝りすぎたところがあると感じ、近年敬遠していたのだが、王イ・サン、側近の書記役などキャラの作り込みがしっかりしていて映画に入り込めて楽しめた。
唯一の難点は、ほとんどなじみのないキャスティングの顔認識ができず、混乱することがあったことか。歴史を少し学び、人物相関図を整理し、また見ることにしよう。
「グレイハウンド」(17年 スペイン)原題:Zona Hostil
同名でトム・ハンクス主演の新作米映画(20年)が話題になっているが、こちらはスペイン映画。
アフガン紛争に参加し、墜落したスペイン・米共同部隊(コードネーム:グレイハウンド)の救急ヘリのスペイン軍による救出を描いたものだが、夜中に迫りくるアフガン戦士がゾンビのように攻めてくる。夜中に撃っても、撃っても沸いてくるアフガン兵士。弾薬はなくなるは、救援の攻撃ヘリも弾切れ。もちろん眠るどころではない。ひっきりなしにタバコを吸うシーンに、なんだか緊迫感だけが伝わってきた。
アフガン紛争(01年~)なんてアメリカ軍とタリバン、アルカイダの戦いだと思っていたら、NATOも参加していたらしく、実話をもとにした映画らしい。
映画そのものはハリウッドが下請けしたらしく米映画の香り。
昔の米映画で、アラモ砦に攻めてくるインディアンが撃たれてバタバタと倒れながらもウンカのように押し寄せ、砦の隊長がもうだめだと諦めかけたところに救援隊がラッパを鳴らして登場、敵を打ち負かすーのと同じステレオタイプの救出劇であったが、まあ、楽しめた。
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