2022年12月20日火曜日

ロバの耳通信 「西部戦線異状なし」「アウトサイダー」「ディープ・スペース」

 「西部戦線異状なし」(22年 独)原題:Im Westen nichts Neues

リメイクながらNetflixの新作ということで公開を楽しみにしていたのは、それぞれ何回も見た30年のアカデミー賞作品、79年のゴールデングローブ賞作品(いずれも 米)の印象が強く残っていたから。

前2作品に比べ、ずっと直接的で残酷。オープニングと、エンドロール前の山の風景だけが脈絡のない暗い映像で、映画が始まると息をつくひまもなく、映画に縛り付けられた。引きずるような音楽が怖さを盛り上げる。

見終わったらすっかり疲れてしまって、2度見をする気力が残っていなかった。とはいえ、いつかまた見ることになるのだろう。喩えとしては良くないが、恐怖は一種の快楽なのだ。

ロシアとウクライナの意地の張り合いが世界戦争になろうとしていて、否応なく底なし沼に引き込まれている気がする。


「アウトサイダー」(18年 米)原題:Outsider

元米軍のニック(ジャレッド・レト)は、刑務所でヤクザの清(浅野忠信)を助けたことで次第に日本の裏社会に足を踏み入れていく。Netflixが描くと、日本のヤクザはこう写っているのか。米軍将校が日本の刑務所にはいっていて、ヤクザの世界で台頭してゆくなんて噴飯モノのストーリー展開。ヤクザの親分(田中泯)やヤクザの兄弟(キョウデー椎名桔平)もあまりにもステレオタイプ。日本ヤクザの指詰め儀式もただただスプラッタえいがのよう。配役が、主役を除いてほぼ日本人だから対象視聴者はアメリカ市民ではないだろう。きっと古い日本人は一昔前の東映の任侠映画などの感覚で古き良き時代を反芻するのだろうが、若い人もこういうの見ないだろうな。うん、Netflixにしては面白くない作品。

同名のフランシス・コッポラ監督の名作(83年 米)のことを思い出した。あっちは良かった・・・。

「ディープ・スペース」(18年 カナダ)原題:Deep Space

ストーリー展開も、配役も、音楽も文句なし。CGの美しさが特筆すべきの「宇宙生物との接遇モノ」なのだが、この作品も他と同じで”宇宙人はいたのか”と疑わせる中途半端な幕切れ。消化不良は体に悪い。

うーん、ラスト近くまで、宇宙船が故障したり、食料が足りなくなったりでハラハラドキドキを楽しめたのになー。


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