キャスティングを見て、かなり期待していた。原作「ぼぎわんが、来る」(澤村伊智 角川ホラー文庫) が、第22回日本ホラー小説大賞を受賞、マンガもチラ見だが結構怖そうだったし。
能天気男役で子育てブログを書くことに生きがいを感じている妻夫木聡も、育児ノイローゼで段々狂って行く母親役の黒木華も怖かったが、もっと怖いはずの「アレ」とか「それ」が、なかなか来ない。ボスキャラがなかなか出てこないのにシビレを切らしそうになったら、大巫女役松たか子が日本中の霊媒師(代表柴田理恵)やら韓国の祈祷師まで呼んでお祓いをしたから、おお最後に来るかと期待していたのに、なんだこりゃの感。血反吐のゲロシーンばかりのCGも飽きるばかり。大巫女の妹でキャバ嬢役の小松菜奈がメッチャ良かった、うん個人的に気に入ったというだけれど。ウラをかえせば、ほかに大した見るところもなかったということか。
「ヴァイブレータ」(03年 邦画)

疲れてしまったルポライターの女と長距離トラックの運転手。ロードムービーなんて言葉があるかどうか、ともかくふたりはハレでも雨でもないくらいの距離感を持ち、旅を続ける。見栄とか気取りとか、そんなヨソユキの言葉じゃない会話が、それでも出会いから少しずつ距離を縮めてゆくに従い微妙に変化してゆくのが分かり、いつのまにかどちらにも共感している自分に気付いた。
どこかの薄暗い大衆食堂で、向き合ってそうウマそうでもなく、フツーにメシを食ってる彼らがうらやましい。ワタシには持病があり先行きの不安もあるが、まあ平凡な暮らしができている。だからそう感じるのかもしれないが、こういう旅暮らしもちょっと憧れてしまう。まあ、3日くらいで飽きてしまうかな、根性ないし。題のバイブレータの意味はよく分からない。ググったら、トラックの振動とかココロが揺れるとか、まあ、いろいろ書いてあったけど、題なんてどうでもいいかと。
映画評は良くなかったが、好きだね、この映画。