ありえない設定だけど、そこは日常の風景。原作(三部けいのマンガ)も読んだが、声優や主題歌など、文字だけの小説やマンガよりも、アニメは「具体的」に嬉しさや、哀しさなどの感情がナマに眼、耳から直接伝わる。紙の上だけの「ひとりよがりの想像の世界」から、テレビアニメや劇場版アニメでは日々の暮らしのようにより近くに感じることができた。
繰り返し襲ってくる「リバイバル」は、日々の暮らしで感じるデジャブのようだし、トラウマでもある。あらためて考えてみると、ストーリー展開のなかのイベントは、虐待、誘拐といった暴力ばかりなのだが、この暴力から主人公のみならぬ観客をすくいだしてくれるのが、実社会では中々得難く理想ともいえる仲間や友情、というのが、若い人にも受け入れられている理由
ではないか。
いずれにせよ、マンガ、ノベライズ小説、テレビアニメ、劇場用アニメとどのメディアでも耐えられるストーリーは、枝葉で変っているものの、主人公の悟の強い意志とその周りの少女の思いで骨太に組まれており、このストーリもすごいと思う。さらに、マンガから劇場版アニメへの展開のなかで、良質な作画が品質を落とされることなく、またキャラクター設定に合致した、声優のキャスティングなど、きめ細かい演出がされていることなど、近年の作品群でこれだけの品質を維持できていることに感動した。
次の変移として考えられた実写(映画)の失敗で、原作がダイナシになることが怖かったが危惧に終わったようだ。同名の新作(16年3月邦画)藤原竜也はともかく(この世代に良い男優がいない)、ヒロインに有村架純とは・・、乃木坂とか欅坂にいっぱいいるだろうにと本気で。キャスティングにやや不満は残るが、子役の中川翼と鈴木梨央がいい。「ALWAYS三丁目の夕日」(05年邦画)の古行淳之介役で出演した子役の須賀健太がこの映画の本当のヒーローであったように。三丁目の夕日シリーズでは続編が出るたびに酷くなったから、「僕だけが・・」は、続編はいらない。
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