2016年6月3日金曜日

ロバの耳通信「雨の日の映画会」

一日中雨の予想が出ていたので、明るいうちは「ソロモンの偽証」(15年邦画)、夕食後に「サンクタム」(Sunctum11年、米)を。

「ソロモンの偽証」は文庫本を手に取ったこともあったが、ちょっとニガテな学園モノだし6冊(約3000ページ)もあるということで尻込み。テレビで前・後編を放送ということで、録画して一気に。


公募で決まったという主人公(藤野涼子)が日本アカデミー賞ほか各賞の新人賞をかっさらい評判も良かったが、ワタシは中学生役のシロウト集団にひとりだけプロ女優がいるような居心地の悪さを感じた。いじめられっこ役の石井杏奈とその母親役の永作博美、気弱な担任の黒木華がステレオタイプのイヤなオンナに描かれ印象に残った。

新し映画のせいか、キャスティングではいま活躍中のタレントが大勢出演していて、そのタレントをワルモノにしないよう、チョイ役で終わらせないよう八方美人色に仕上げたせいで映画全体を落ち着かないものにしている。こういうシリアスな原作・脚本の映画では、軸となる数人の役柄が浮かびあがり、ほかの役は風景に溶け込むという、舞台劇のようなのが合っているのではないだろうか。
この映画の主題歌をU2が提供して話題になったが、ミスマッチと言っていいくらい。誰の責任なのかはわからないが、こんな使い方をされたらU2ファンは怒るよ、きっと。

「サンクタム」はアリスター・グリアソン監督、ジェームズ・キャメロンの製作総指揮。「タイタニック」(97年米)「アバター」(07年米)(共にキャメロンの監督・製作総指揮)と大ヒットのあとに鳴りもの入りでリリースされたが、評判はいまいちだったようだ。監督のチカラの差か。実話をベースとしたというドキュメンタリー仕立ての映像はワタシには楽しめたし、サバイバルでむき出しにされる人々のエゴや厳格な父を嫌う息子との情愛などストーリーもよかった。洞窟ダイビングのシーンなど、ぜひ、大スクリーンでもう一度見たい。

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