「残穢 -住んではいけない部屋-」(ざんえ16年邦画)
原作を先に読んでたせいもあるのだろうが、近年の邦画の凋落を納得してしまうひどさ。小説家の私(竹内結子)も怖い話を持ち込んだ久保さん(橋本愛)もミスキャストというか必然性も個性も抹殺。原作でもちゃんとは出てこないオバケを鳴り物入りで出すは、効果音で脅すは、ふた昔前の時代劇の怪談映画と同じじゃないか。監督どーした、脚本どーした、原作者が可哀想な気がする。唯一の救いは和楽器バンドによる主題歌くらいか。数十秒のテレビCMのほうがよっぽど良かった。韓国で映画化してくれないかな(本気)。
原作は小野不由美の「残穢」(ざんえ)(12年ハードカバー、15年文庫 新潮社)。原作にオバケは出てこないが、読むんじゃなかったと後悔したほど怖かった。怪現象を追いかけていったら、何世代にわたり家やに憑いたりして、伝染病のように広がっていた呪いのようなものをドキュメンタリー風に追いかけてゆくというだけのハナシなのだが、コレを読めば古家や貸アパートは借りられなくなる。家人が寝てしまった薄暗い部屋でスタンドの明かりで読んでいると、自分の後ろが気になる。
電子本でも怖かったから、ページの紙魚(シミ)や行間に潜む狂気のようなものが気になることもある紙の本だと怖くて最後まで読めなかったかも。
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