2016年8月22日月曜日

ロバの耳通信「完全なる報復」

「完全なる報復」(09米)台風上陸が決まりテレビ番組は終日コレばっかり、どこにも出かけられないから、というよりどこにも出かけたくないから今日はネット動画の日。

主演は「レイ」(04年米)でレイチャールズを演じてアカデミー賞やゴールデングローブ賞をとったジェイミー・フォックスだが、好みは、復讐のオニを演じたジェラード・バトラーの方。「300(スリーハンドレッド)」(07年米)でレオニダス王で圧倒的な存在感を感じて以来の大ファン。

ストーリーは強盗に妻と娘を殺されたエンジニア(ジェラード・バトラー)が、司法取引で犯人を極刑に出来なかったため強盗と司法取引にかかわった関係者に報復してゆくという「よくある」復讐劇なのだが、その復讐の方法が周到で残酷。この手の復讐モノが好きなワタシでも、残酷すぎて、やりすぎの感。「完全なる」と題されているから、犯人が死んでからも最後にドンデンガエシとかもあるかとラストシーンまで緊張して見てしまった。

舞台となったペンシルベニア州フィラデルフィアは、古い町並みと近代ビルが混在する大都市。15年ほど前に仕事で訪れたが、大きなホテルの前もウシロも大きな通りで、翌朝は空港へのシャトルを予約、アシがないワタシは今日のようにどこにも出かけられず、ホテルのギフトショップでカミさんのためにハーブ油の詰め合わせをオミヤゲに買ったことを覚えている。明日は帰るからとカミさんに電話をして、チェックアウト時に電話代のバカ高さに文句をつけたら、ココはよその州に比べ電話代が高いのよとナマイキな顔をして化粧の濃いホテルのオネーサンに言いくるめられたことをいまも覚えている。

2016年8月20日土曜日

ロバの耳通信「ドーピング」

どうすればよいかわからない

何年も、委員会とコーチのいう通りにしてきた。
厳しい食事制限と練習。絶対ひっかからないしし、検査は委員会でやるから検査ミスも起きないからと何種類もの「サプリ?」。吐きそうな味のプロテインドリンクにも慣れた。

メダルがとれたらと、委員会は両親のためのアパートと、弟の奨学金も約束してくれた。ロンドン大会では、メダルまでもう少しのところだったし、カラダ作りと練習を重ねてきたから、リオでのメダルは指定席だと思っていた。

委員会から突然の連絡があり、リオには出場できなくなったと。耳を疑った。コーチは消えた。目の前が暗転した。お前たちの言うようにしてきたじゃあないか。

2016年8月9日火曜日

ロバの耳通信「おにぎり」


おにぎりを食べる時、いつも思い出してしまう話。

ピカドン(原爆)のあと一旦稲佐山に避難した。

夕暮れも迫り、ぞろぞろと山を降りる人々のなかに、顔を煤だらけにした小学生を見つけた。
自分の身内にも同じ年頃の子供がいることから、持っていたおにぎりをあげるため声をかけた。

わき道にはいり、新聞紙のおにぎりを広げその子にあげたが、自分がたべはじめても中々食べようとしない。

わけを聞くと、「これから家に戻り、はぐれてしまった母、姉を探す。折角いただいたおにぎりだが、自分はまだ我慢が出来るから、ピカドンにやられているであろう母、姉に食べさせたい」と。

神はどこにいて、何を見ていたのだろうか。

2016年8月3日水曜日

ロバの耳通信「イコールズ」

「イコールズ」(Equals16年米)未来都市が舞台で、長岡造形大学で撮影をしたことが有名になった作品。

コンクリートとガラスの吹き抜けの空間芸術は近未来を想像させるが、この映画が暗に示唆する感情のないクリーンな「嫌な」世界なのかも。共感か嫌悪かは別にしてこの映画を見て、行ってみたい場所がまた増えた。

監督がドレイク・ドレマス(「今日、キミに会えたら」(12年米、日本未公開)のラブストーリーの味付けながら、製作総指揮リドリー・スコット、ニコラス・ホルト(「X-MEN アポカリプス」(16年米)、クリステン・スチュワート(「アクトレス〜女たちの舞台〜」(14年米)が有名だが、「オン・ザ・ロード」(12年米)のメアリルーが好き)の主演ということで外れようもないし、湧き上がる恋愛感情、失った喪失感は生と死のハザマを行き来したロメオとジュリエットにも似たジェットコースター気分も味わえる。

日本公開は未定らしいが、字幕付きでネットでみることができるので、なにかいい映画を見たいとお探しの向きに勧めたい。