風邪のため、まる2日、布団の中にいた。
ビジネスマンだった頃、旅暮らしというか、ひとりでの出張が多く、週末に足(車)のないツーリストは空港の近くのホテルですごすことが多かった。目覚ましなしで起きて、「起こさないで」の札をドアノブに下げ、部屋履きにしているビーチサンダルにパジャマ替わりのトレーナーのままホテル内か近くのカフェで朝ご飯を食べ、またホテルの部屋に戻りダラダラとテレビを見たり、文庫本を読んだりして、眠くなったらまた寝て・・という生活。このところ体調が思わしくなくて、そういう昔の自堕落な日々が懐かしくて、想像してみたりしていたのだが、本当に風邪をひいてしまい、食事とトイレ以外は布団の中という週末を迎えることになってしまった。
夢を見ていた。
公園にひとがたくさんいる。強い日差しのもと、サンダル履きの足の下は頼りない砂だったから海岸かもしれない。とにかく、歩いている右側にはジャングルジムや砂場、ロバやキリンがいる。左前の方から、知り合いのフランス人(顔にも覚えはないし、なぜフランス人かもわからない。第一フランス人の知り合いなんて何人もいないのに)が手招きをして私の名前を呼んだので、そっちに行くと、数人の若いひとたちがいて、ペタンクのようなゲームをやっていて、一緒にやろうと。一列になって、野球のボールくらいの鉄球を交互に投げるゲームらしいが、ルールがわからない。件のフランス人が私をみんなに紹介してくれて、しばらく和気あいあいの雰囲気を楽しんだ。
遠くに芝生の丘があり、何かのオブジェ。フランス人の友人にそのオブジェを指さし、そこへ行ってくるからねと私は告げた。たくさんのひとが、勝手に大きな声で話しているから、通じたかどうか不安になってフランス人の顔を見たら、相変わらずニコニコしているから、私と彼は結構な仲良しらしい。いつの間にか脱いだサンダルの下に芝生の触感を足の裏に感じながら、ピカピカにひかるステンレスのオブジェを見あげ、青い空を感じたとき、ああ、これは夢だと気付き、覚めた。
カラダは日差しを浴びたように暖かく、空気は日なたのにおいがした。なんだかシアワセな気分だった、ひどい風邪のさなかなのに。
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