「私の男」(桜庭一樹 10年 文春文庫)
禁忌の血生臭さが最後まで読ませるが、読んだあとの爽快感はない。桜庭では先に「赤朽葉家の伝説」(10年 創元社推理文庫)を読んだことがあり、名前から男性作家と勘違いしていたが、この「私の男」を読んで、あまりの女らしさ(うむ、良い意味ではないほう)に著者来歴を調べて、作者が女性だと判明。その際、よく知ったいくつかの作品がこの作家によるものと判明。
「少女には向かない職業」(07年 創元社推理文庫)「GOSICK -ゴシック-シリーズ」(03年~富士見ミステリー文庫)など、いずれもドラマやアニメ化されているが、非日常の残酷、禁忌など、刹那に時間を忘れたい今の若者に受けているように見える。
深淵を覗いて、地獄に落ちてみたい気もする。
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