こうやって、読んだ本を並べてみると、かなり乱読か。図書館から借りる本はカミさんとシェアしているから、まあこうなる。ワタシだけだと、ミステリーばっかりになる。
「とせい」(09年 今野敏 07年 中公文庫)
中公文庫は字が小さいし、細いから読みにくいのだよとカミさんにこぼしていたら、今野敏は面白いからそれくらいのことは我慢せよとのご神託。

ヤクザが出版社の経営を引き受け、精密加工屋のコンサルを請け負うというとんでもない物語。経営再建の勘所など押えるところはキチンと押えていて、主人公がヤクザの代貸という非現実感はあるものの、ワタシは会社員やコンサルを生業にしていた時期もあるからうんうんとうなづきながら楽しく読めた。
今野の作品の魅力は痛快さか。主人公が刑事だったり、一匹狼だったりヤクザだったりではあるが、勧善懲悪の結末と痛快さで面白さを外すことはない。
「食堂かたつむり」(17年 小川糸 ポプラ文庫)
なにかのことで小川糸の作品が何度かカミさんとワタシの話題に。

で
「犬とペンギンと私」(17年 幻冬舎文庫)を読んで、うーん。面白くなくもないが、心を打たんなーということで、もう一冊、これがどーしても名前を思い出せないーを読んで、それでは代表作はと借り出したのがこの
「食堂かたつむり」。カミさんもワタシも食いしん坊だし、料理も楽しむ方なのだが、いまいちねーということで変な意見の合致。凝った料理が紹介されるのだが、カタカナの料理名に材料、手順をサラッと紹介され、
「おいしそう」が伝わってこない。映画化もされたと。小川糸はもういいかな。
「麻雀放蕩記」(16年 黒木博之 ポプラ文庫)

ワタシは阿佐田哲也の
「麻雀放浪記」(69年~ 週刊大衆 双葉社)、
同名漫画(93年~ 近代麻雀ゴールド 竹書房)、
同名映画(84年 真田広之主演)で育ってきたから、ちょっとね。黒木も一応直木賞作家だからと期待もしていたし、裏表紙の釣りには
”ギャンブル小説の金字塔”とあったけれど。金字塔って、なんだかね。
「失格社員」(07年 江上剛 新潮文庫)
10編の短編集。寝る前の気楽な読み物のつもりでいたら、結構シニカル。モーゼの10戒になぞらえたサラリーマンの物語は、ずっとサラリーマンとして暮らしてきたワタシにも身につまされる話が多かった。著者は元銀行員らしく、特に銀行員を主人公にした物語は結構な迫力。ワタシも一時憧れた銀行員は高給エリートのイメージだったが、偏見だったようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿