2023年5月10日水曜日

ロバの耳通信「J・エドガー」「デイアフター2020 首都大凍結」

「J・エドガー」(11年 米)原題:J. Edgar
 
FBI長官だったジョン・エドガー・フーヴァーの伝記映画。29歳の若さで長官に就任し77歳で死ぬまで8人の大統領に仕えたJ.エドガーを演じたのがレオナルド・ディカプリオ。眉間の縦皺がより強調されたメーキャップに無理はあるが、人物としては良く描かれていたと思う。主題は権力をわが物にしようと、エドガーが活用した「フーヴァー・ファイル Files of J. Edgar Hoover」は歴代の大統領や政治家のスキャンダル情報を集めた秘密ファイル。終生にわたり結婚しなかった理由がマザコンとホモセクシュアル。
亡くなった人とはいえ、米国の中枢にいた政治家をこうあからさまに描いた作品はないのではないか。どこまでが事実なのかは別にしても、アメリカの近代史を学ぶに良い映画であることは確かだろう。

クリント・イーストウッド監督の作品は「ミリオンダラー・ベイビー」(04年)、「インビクタス/負けざる者たち」(09年)、「アメリカン・スナイパー」(14年)など、ワタシの心に残るものが多い。最新作「リチャード・ジュエル」(19年)の日本公開が待ち遠しい。

「デイアフター2020 首都大凍結」(10年 英・ニュージーランド)原題 Ice

3時間半の長編パニック映画。2020年に、石油資源が枯渇し、最後の希望となったのは北極海の氷の下にあると思われた石油層。氷の下を掘れば温水のために北極の氷が溶け出し、北洋の海流が止まり北半球は氷河に覆われるゾという気象学者の警告を聞かず、北極基地のリグで掘削をすすめたために警告通り北半球は氷漬けに。題名の凍ってしまう”首都”はロンドン。北極や雪のロンドンなど白一色の画面が多い割に、カメラワークが良くて退屈せずに見れた。別れ別れになった家族が最後は無事合流するというハッピーエンドに終わり、”地球の資源を大事に使おう”というエンドロールが出てなんだこの映画はと。こういう警告モノは、やっぱ、悲劇的な終わり方で人々に警告するのがスジじゃないか。

似たような題名の映画は多い。「デイ・アフター 首都水没」(07年 英)では、暴風雨による高波がロンドンを襲う。「ザ・デイ・アフター」(83年 米)は第三次世界大戦の核兵器による放射線が怖い。「デイ・アフター・トゥモロー」(04年 米)で地球温暖化のために氷漬けにされるのはニューヨーク。「デイ・アフター・トゥモロー17」「デイ・アフター・トゥモロー18」と続編まで出てこのシリーズさすがに食傷。ディザスター映画の中では「デイアフター2020 首都大凍結」は面白かった方かな。

「デイアフター2020 首都大凍結」は大好きな英女優クレア・フォーラニの逆引きで、見つけた映画。気象学者の妻を演じ、娘や義父とともに雪に閉ざされたロンドンを彷徨する役。キレイだけど、ゼンゼン役に合ってなかった。「ジョー・ブラックをよろしく」(98年 米)で、死神役のブラピ(ブラッド・ピット)が恋する女性役を演じたクレアは当時27歳、息をのむような美しさだった。「CSI:ニューヨーク」(06年~10年 米テレビドラマ)の美しさツンツンのニューヨーク市検視局検視官の役もメッチャ合っていて良かったけど。

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