2024年8月10日土曜日

ロバの耳通信「シタデル」「プレッシャー」

「シタデル」(12年 アイルランド・英)原題: Citadel

原題は城塞の意。人の恐怖に取り付いて悪さをする子供の形をした悪魔に妻を殺された男はトラウマから広場恐怖症に。初めての場所や暗闇が異常に怖いPTSDの一種らしいが、取り付かれた若い父親役にアナイリン・バーナード。顔に見覚えはあるが、名前と顔が一致するほどは知らなかったが、とれることのない目の下のクマがなくても、表情が良かった。
残された乳飲み子を悪魔に攫われ、悪魔払いの牧師と悪魔に立ち向かう戦うために悪魔の巣窟である城塞、廃墟になった高層アパートに乗り込む若い父親。
15禁のワケは、悪魔の生まれた訳は近親相姦だという。牧師はヒトが作り出した悪魔をガンのようなものと説明するが、もしかしたらヒトが作り出した新型コロナウイルスもそうなのかと、牧師の言葉に説得力を感じた。
廃墟の中に懐中電灯に浮かび上がる悪魔の映像も、音楽も効果音も怖い。半端な怪談映画よりずっと怖い。「恐怖を映像にする」と、こうなると教えてくれた映画。映画が教えてくれたのは、恐れることで悪魔はヒトの心に住み着くと。だから、恐れるだけではダメだと。

エンドロールの曲が暗くて歌詞の字幕を読みながら聞いて、また怖くなった。

「プレッシャー」(15年 英)原題:Pressure

ソマリア沖の石油パイプラインの修理に向かった作業タンク。母線が突然の嵐で沈没。孤立した作業タンクの中の4人の生き残りの物語。酸素が段々少なくなってゆく密室の中で4人の人生が語られる。この手の映画だと、海中からモンスターがあらわれたり、乗組員がゾンビになって相方に襲い掛かったりのとんでもないストーリー展開になったりでバカバカしくなるのが普通なのだろうが、この映画、暖房装置が壊れたり、パイプが外れ酸素がたりなくなったりの地味な変化で楽しませてくれ、ほとんどシリアスな舞台劇に近い。

配役もほとんど知らない俳優ばかりだったのだが、エンドロールの音楽までシッカリ楽しめた。

コロナによる外出制限のため出かけられない雨の夕方、まあ、実際のところコレを言い訳にしてネット動画に張り付いているのだが、いい映画に出会えた。

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