「パラレルワールド・ラブストーリー」(東野圭吾 98年 講談社文庫)
「序章」の並行する田端/品川間の山手線と京浜東北線の電車のドア越しにいつもの女性を意識するというクダリが一番良くて、ひとりの女性を挟んで親友同士が葛藤するという物語は文学の永遠のテーマでありながら東野らしい心理描写で共感。恋愛小説として読めば楽しめるが、オチまでのストーリー展開があまりに奇抜で、読み終わったときの未消化感は否めず。読書ブログでの謎解きまである本だが、指を挟んで読み直しても、結局アレとコレはどうだったのとギモンだけが残った。ツクリモノへのギモンを本気で片付ける気もなれず。
講談社文庫は活字と空白のバランスが良くて好き。
たまたま手に取った雑誌「オール読物11月号」のダイ6回新人賞作品「ひどい句点」(佐々木愛)首都高は裸足でなければ運転できないという男に惹かれた若い女、「姉といもうと」(嶋津 輝)家事が好きで家政婦になった姉とラブホテル勤務の指なしの妹のなんと魅力的なことか。新人賞というワタシの偏見(まあ、シロウトにケが生えたくらいだろう・・)は足元からひっくり返され、横っ面をひっぱたかれた。このところハマっている文藝春秋社恐るべし。ベストセラー作家偏重を改めなければ・・(反省)
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