2017年10月7日土曜日

ロバの耳通信「カズオ・イシグロ」

「カズオ・イシグロ 」

カズオ・イシグロのノーベル文学賞が決まった夜、カズオ・イシグロ原作「わたしを離さないで」(10年 米)の夢を見た。

私は臓器提供のために施設で育てられたクローンのひとりで、農場のようなところに逃げ込んで、映画とは違い、薄暗い泥道をあてなく逃げ回っていた。散々遊んだゲーム「バイオハザード4」とゴチャゴチャになったらしい。

「わたしを離さないで」ではアンドリュー・ガーフィールド(「アメイジング・スパイダーマン」(12年 米)やキャリー・マリガン(「17歳の肖像」(09年 英))の素晴らしい演技のおかげで生涯忘れられない映画になった。生涯忘れられないなんて大げさな言い方だが、なかなかこう言えるような作品に出会えることが稀になった。

前に綾瀬はるかのテレビドラマ「わたしを離さないで」(16年 TBS)を放送したのでそっちも見たが、ミスキャストのせいか、すっかりつまらなかったのがひどく残念な気がする。綾瀬が嫌いなのではない、いや綾瀬は好き。ただ、ほかのキャストも含め、ゼンゼン役に合っていないのだ。原作(08年 ハヤカワ文庫)がいいだけに残念。

カズオ・イシグロは映画「わたしを・・」の原作者ということでで名前だけは知っていたが、カミサンが図書館から借りてきた「忘れられた巨人」(15年 早川書房)を先に読んでカズオ・イシグロ火が付き、ブッカー賞受賞の「日の名残り」(01年 ハヤカワ文庫)も図書館で予約しようとしたが、すごい数の待ちということで断念。大好きなアンソニー・ホプキンス主演の同名の映画(93年 英米)があるということでそれを探している。

「忘れられた巨人」はアーサー王時代のイングランドを舞台とした老夫婦の旅物語。土屋政雄の衒わない翻訳がアタマに自然に浸み込んでくるにも拘わらず、読み返してゆくと隠れていた亡霊のようなモノがページの隙間から顔をのぞかせるから、ページに指を挟み反芻しながらオソルオソルまたドキドキしながら読んだ。映画化の話しも進んでいるらしい、これも期待したい。

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