「さよなら、海の女たち」(88年 椎名誠 集英社)
海のそばで生まれ(と、聞いた)、海のそばで子育てをし(カミさんが)、早朝には遠い汽笛が聞こえるところに住んでいる私には、海には強い思いがある。
図書館の棚の青い背表紙とタイトル、著者名をみて
「発作的」に借り出してしまった。
いつものシイナの本は寝っ転がって読むにに最適。

どれも、伝えられない思いがありもどかしく感じながらもそのままにして、いつまでも気にしてしまったり、ずっとあとになって思い出しすこし辛くなる、そんな短編集だった。もっとも印象に残ったのが、最終話の
「三分間のサヨウナラ」。女のコと付き合いたくて、映画を撮るという口実で誘い失敗。ずっとあとにそのコからの手紙が来るというだけなのだが、自分にもそんな経験があってシミジミ思い出してしまった。
雨の日のウインカーの動きを、カマキリの腕に例えたところもよかった。シイナの物語にはよく昆虫とか魚の話がでてきて、
「秘密宅急便」では
”坂道を真面目な昆虫のように一歩一歩真剣にのぼっていった”とか、なんだか和む。
シイナの本は体調がイマイチだったり、ちょっと不安があったりしたときに
「第3類医薬品」くらいの役に立ちます。
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