「嘆きのピエタ」(12年 韓国)
はじめてこの映画を見たときのことを忘れない。サラ金の取り立て屋とその母親の物語なのだが、余計な説明も気取りもなく淡々と描かれたナマの暴力。鬼才監督キム・ギドクが自腹で、出演者もノーギャラで作ったいう。一瞬のシーンのムダもない。「いきなり」の衝撃。これが韓国ノワールかと、この作品からワタシのキム・ギドクを探しての彷徨がはじまった。
女子大生に一目惚れをしたヤクザの物語「悪い男」(01年)、韓国駐留の黒人米兵との混血児がいじめを受ける「受取人不明」(01年)、ドアのチラシ貼りをしながら不在の家を探し、そこに住み着く男の物語「うつせみ」(02年)、ヨーロッパ旅行のために援助交際をする女子高生「サマリア」(04年)、<残酷すぎてここにはとても書けない>近親相姦を扱った「メビウス」(13年)、復讐劇「殺されたミンジュ」(14年)など、どれも韓国が対峙する社会問題。どれも答えがなく、ただ直視するのが精いっぱいだ。日本も同じ。最新作「The NET 網に囚われた男 」は予告を動画サイトで見れるだけだが、脱北者を扱ったもののようだ。見たい。
「その怪物」(14年 韓国)
監督はキム・ギドクではない(ファン・インホ)のだが、これも韓国ノワール。
姉を殺されたアタマの少し弱い少女キム・ゴウンが結構かわいい。サイコパスのイ・ミンギから逃げる名子役アン・ソヒョンも可愛い。ふたりの少女のやり取りは、漫才。挿入歌は品がない(邦訳でも十分伝わる)が、スプラッタ映画に救い。
暗いところからぬっとでてくるイ・ミンギを見てたら、村本某(ブログ炎上芸人)を思い出した、カミさんはゼンゼン似てないというのだが、ワタシはメが似てると思うのだけど。
ワタシにとって韓国のイメージはこうだ。血、家族の絆、暴力。韓国映画や韓ドラがほとんどすべて。仕事で何度か行ったくらいで、本物の韓国はほとんど知らない。親しくなるということは兄弟になること。兄弟は何でも許す、遠慮してはいけない。親しくなった瞬間からプライバシーがなくなるからね、言っとく。
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