「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」(15年 英)
タイトルバックのすぐあとの警句が”戦争の最初の犠牲者は真実である”。うーん、映画を最後まで見ても得心できない言葉だった。
ドローンを使った現代の戦争を皮肉たっぷりに描いている。舞台はケニア。米側と英側の両方を描いた英国映画では能天気の米側、保守的な英側を描くのが普通なのだろうが、さらにこの映画では、自分で決められず責任をなすり合う政治家を強く批判し、ルール第一でキレイゴトに終始する政務次官も現場で指揮を執る強面大佐も、ともに女性に設定して、バランスをとろうとしているのが興味深い。ほぼ全編がドローン画像だったが手に汗握る脚本・撮影は秀逸。スジがわかっていても、もう一度見てもいい。
「ハリー・ポッター」シリーズ(01年~英)で魔法使いのスネイプ役をやったアラン・リックマンが、いつもの渋い声<吹き替えは「笑うセールスマン」のあの土師孝也>で英軍中将で出ていたが、この映画のあとに亡くなったと。残念。
「エクスティンクション 地球奪還」(18年 独)
ポスターもなかなか、さらにNetflix配給ということで期待してみたのだが。異星人の侵略とか、誰かに襲われる夢とか、まあ、ありえないようなハナシを主題にしたら、段取りをキチンとしておいて混乱させないようにシナリオ書いてくれないと、デジャブ感いっぱいのシーンの繰り返しだと飽きる。結末の持って行き方もおーい、こんなのないよと言いたいほどの凡庸さ。
父親役のマイケル・ペーニャががイケてない。母親役のリジー・キャプランとの相性も悪いようで、とても夫婦には見えない。マイケルはトボケたいい味があって脇役はいいんだけどね。やっぱり、ドイツ映画はメジャーになれないのかなぁ。良かったのはポスターだけの新作。
スネイプ、亡くなりましたね。若し最近の映画を見たら知らない人ばかりになっているのではと心配です。
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