2019年4月9日火曜日

ロバの耳通信「トリプルフロンティア」

「トリプルフロンティア」(19年 米)

Triple Frontier はアルゼンチンとブラジルとパラグアイが接するエリア。この映画の舞台となったところ。
引退して食い詰めていた元特殊部隊のスペシャリスト5人が、南米の麻薬王の金を狙って再結成。リーダー役のベン・アフレックほか芸達者を揃えたから、武器の入手と周到な計画に期待は高まる。ジャングル戦かドンパチで金を奪って脱出か、まあありそうなスジだなと思っていたらとんでもない結末に。
ストーリーが進むにつれて、元戦友と言いつつ退役後田舎でバラバラな暮らしで糊口をしのいで男たちのキモチのギクシャク差が伝わってきて、あ、これはイケナイかなと半分楽しい予感。とはいえ、ベン・アフレックをいいポジションに据えているから、まあ最後はハッピーエンドかなとも。
麻薬王の自宅でとてつもない現金を見つけた時から、またまた彼らが「それぞれに」狂い始める。とにかく、彼らの現金への執着がすごい。まあ、なんとなくわかるけど。抱えきれないほどあるから、袋に詰めるのも大変、車も一台じゃ足りない、重すぎてヘリコプターの高度が上がらず山越えできない。途中で投げ捨てたがそれでもヘリコは墜落。あっと驚きは、後半でいつものマジメな顔したベン・アフレックも死んでしまったこと。焚きつけにしたり、ロバで運んだり、持てない金を谷に隠し、残った金は死んだ仲間の遺族に。結局、もとの無一文。
現金を手に入れる前の緊張感が後半の撤収劇にはすっかり薄れてしまい、面白いはずの「ジェットコースターの下り」が退屈でつまらないものに。
やることなすことチグハグになってしまった金に憑かれた男たちの物語は、哀しすぎてコミカルでもある。

この映画、wikiによれば、映画化スタート(10年)以降、監督も交代しジェフリー・C・チャンダー(「マージン・コール」(11年 米)ほか)に。出演もトム・ハンクス、ジョニー・ディップ、チャニング・テイタムとトム・ハーディ、マーク・ウォールバーグほかのキャスティングが変更になったと。脚本(ジェフリー・C・チャンダー)がちょっとね、3月に米で公開されたばかりだけど、当たらないと思う。

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