2019年5月8日水曜日

ロバの耳通信「シグナル」「オートマタ」

「シグナル」(14年 米)

謎解きだから、ミステリー映画なんだろうなこれも。MITの仲間3人がハッカー「ノーマッド」を追いかけネバダに行く。エリア51(米政府の秘密の研究地域があるといわれている)みたいなところにある隔離施設に幽閉され上肢や下肢をロボット化され、そこを脱出するため大暴れーというSFでもある。大部分となる隔離施設の中のストーリーに脈絡を見つけられずシーンが変わるたびに、どうなってんだよと言いたくなる。ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」シリーズ(03年~米)のモーフィアス)が「ノーマッド」で施設の親玉だとおもっていたら、彼もロボットだったと支離滅裂。こういうミステリーものは、SFで味付けしたとしてもスジに多少の合理性がないと消化不良のモトになる。スタンリー・キューブリック作品を彷彿させた。カメラワークもいいし、映像もキレイなのだが、おわっても謎のままのストーリーに不満が残った。

「オートマタ」(14年 スペイン)

砂漠化した地球が舞台。生存者はヒューマノイドロボット「オートマタ」を使い過酷な環境で生存を図ろうとする。オートマタには、生命体に危害を加えない、ロボットの改造をしないという設定<アイザック・アシモフのロボット工学三原則に類似>がなされたているはずのオートマタに、ロボットにより改造されたものが見つかり、保険調査員(アントニオ・バンデラス)が調査に出向くが、横暴な人類と虐待される従順なオートマタとの挟間で悩むという物語。
女オートマタの表情が誰かに似ているのだが思い出せない。スカーレット・ヨハンソンが草薙素子を演じて話題になった「ゴースト・イン・ザ・シェル」(17年 米)に出てきたロボットの顔か。いつも寂しげなアントニオ・バンデラスがこの映画でも終始暗い表情で、とんでもなくありえないSFなのに彼の人間味がにじみ出ていて良かった。

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