エリートが自分たちをSNSや動画サイトでネタにした人々を攫ってきてアーカンソーの山の中に連れてゆき、”人間狩り”を仕掛けたが、攫ってきたひとりが人違いで、元軍人のバリバリ女。結局、逆襲されてエリートたちが皆やられてしまう。
”人間狩り”だけを見れば、”よくあるストーリー”なのだが、この狩られる方の元軍人がメッチャ強い。殺人シーンはグロいが、カラっとして痛快感さえ覚えるのは、ちりばめられたウイットとジョークか。
この作品、昨19年秋に公開予定だったのが、米の銃乱射事件の多発で今20年3月に延期されたとあった。米のアクション映画に銃はつきものだから、別にの理由があったのかとワタシは勘ぐっている。例えばこの映画の金持ちエリートが誰かエライ人を揶揄したものがバレそうになったとか。
いずれにせよ、暴力とグロシーン満載だからR指定は間違いないところだろうが、スピード感があり音楽とのマッチングも最高で、少なくとも今年見た映画の中では掛け値なく一番面白かった。ただ、メジャーな役者もほとんど出ていないから日本公開ナシかも。
「バレット・ライン」(10年 米)原題:Across the line:The exodus of Charlie Wright
邦題のバレット・ラインは本来、弾道予測線の意味だがうーん。原題の EXODUS(退去)は、エンディングで意味ある言葉に。
ガンにより余命数カ月と知った男Charlie Wright(エイダン・クイン)は投資詐欺で大金をせしめメキシコに逃亡。その金を狙って現地のギャングやロシアンマフィア、詐欺事件を追うFBIが三つ巴で交錯。借金に首がまわらない現地ギャングの親玉にアンディ・ガルシア、追われる男が情を交わす現地の女は目じりの皺を隠すための高級化粧品を手放せない。FBIの捜査員は詐欺犯を逃がしてしまったことで立場がなくなっているし、ロシアンマフィアは詐欺事件がFBIに明らかされ悪事がバレることを恐れ男を殺そうとするなど、サブストーリーは満載だが、その分メインストーリーの影が薄くなっている。
オープニングの音楽や警句、サブストーリーのまとまりのなさなど、監督・脚本のエリス・フレイザーの気合が強すぎ空回りしている感もあるものの、アンディ・ガルシアが失敗続きの弟を厭うことなく気遣うところや、挿入ギター曲の使いどころなど、いい映画だった。動画サイトで偶然出会った映画だが、出会えて良かったとシミジミ。
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