「ミッドナイト・スカイ」(20年 米)原題:The Midnight Sky
ジョージ・クルーニー監督・製作・主演のSF映画。原作(「世界の終わりの天文台」リリー・ブルックス=ダルトン)も良いのだろうが、とにかく映像が美しい。宇宙や宇宙船の内外の映像がホンモノのようだ。最もホンモノをみたことがないのだが、画像の広がりに奥行が感じられ、ネット動画でも全く違和感がない。音楽がフランスの巨匠アレクサンドル・デスプラ。長いタイトルバックの間、ひとりコンサートのように楽しめた。
ストーリーは2050年頃、大気汚染で人々が地下やほかの星に避難する中で、重い疾病のため北極の天文台に一人残った科学者が、地球に帰還する宇宙船に地球の危機を知らせるというもの。登場人物が少なく、セリフも抑え気味。ハリウッド大作とは趣きが違うが、感動のNetflixオリジナル。
役者としてのジョージ・クルーニーを見直したよ、格好いいプレイボーイだとおもっていたけど。
「ウインド・リバー」(17年 米)原題:Wind River
銃撃シーンが有名で、ソコは何度も動画サイトで見ていた有名な作品のだが、通しで見たことはなかった。コロナのせいですっかり毎日が土砂降りの日曜日状態になってしまい、今日はゆっくり見ることができた。
舞台はワイオミング州ウインド・リバーというインディアン居留地。主演のハンター役のジェレミー・レナーが良かった。雪以外は静けさしかないという極寒の山岳地帯のトレーラーハウスに暮らす季節労働者やインデアンの暮らし。
監督・脚本は「ボーダーライン」シリーズ(Sicario15年~ 米)で国境警備官の追われる越境メキシコ人たちの貧しさと哀しさを見せてくれたテイラー・シェリダン。抑えたセリフ、哀しみを映した瞳、唇だけで悲しみを表現して見せた助演の新人FBI捜査官役のエリザベス・オルセン。まいった。コマ切れショットと画面から飛び出すくらいの音楽で勝手に観客の頭の中に侵入することが多い、昨今のはやり映画には見られない奥ゆかしさ。とはいえ、感情の波風は充分に立たせてくれるのがこの映画だ。コロナが落ち着いたら、DVD借りてきて、ウチの大きなテレビで見ることにしよう。