「ファースト・マン」(18年 米)原題: First Man
アポロ計画で初めて月面を踏んだアームストロング船長の伝記映画。たまたまAmazonPrimeで発見。まあ、視聴契約中だから見るかと軽い気持ちでみ始めたら、完全にハマった。こんな名作を見ていなかったことに驚きと後悔。
主役のニール・アームストロングを演じたのがライアン・ゴズリング。アカデミー賞受賞作品「ラ・ラ・ランド」(16年 米)で期待はずれに終わり、ソレ以来オモシロクナイという偏見で見ていた俳優だったが、その妻を演じたクレア・フォイとともに最高の演技だったと思う。
この作品、アカデミー賞で視覚効果賞を受賞を撮ったのだが、宇宙船の中から見る宇宙や月面は目を瞠る美しさ。いちばん感動したところは、アームストロングが脳腫瘍で亡くした幼い娘の埋葬場面。棺を墓穴に降ろすラチェットの音。この音で病に苦しんでいた娘が死んだことを観客は初めて知る。すごいとしか言いようのない演出。埋葬、友人や近所の人を集めてのお別れ会のときのゴズリングの表情。そんな、沈んだ場面があちこちにでてくる。
後で知ったがスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めたと、なんとなく納得。
いい作品は何度でも見たい。Amazonの視聴契約期間が残っているからまた見よう。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15年 米)原題:The Big Short
マイケル・ルイスのノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」が原作。
サブプライム問題(08年頃~)とか、リーマン・ブラザーズの倒産(09年)、世界大恐慌とかよく理解できていない事件の真相みたいなものが頭の中でつながった。”真相みたいなもの”と断ったのは、いまだにキチンと理解できていない事が多いからであるが、とにかく”風が吹けば桶屋が儲かる”くらいのリーマン・ショックのイキサツが多少なりとも理解できたのが収穫。脚本のデキが良いのだろうが、娯楽映画としても充分楽しめた。主な配役のクリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットなどにはそれぞれモデルがいたのだろうが、多くの芸達者の俳優のおかげて生き生きとした人物像が(多分)デフォルメされて描かれていて実に面白かった。史実に忠実であろうとしてつまらなくなってしまったノンフィクション映画とは一線を画して、知っている結末なのに、結構手に汗握る展開はやっぱり映画の面白さだ。
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