「NO.6」(~11年 あさのあつこ 講談社)
お試しで契約したKindle Unlimitedの棚で見かけた全7冊、約1500ページの長編。予備知識なしで読み始めた出だしの数ページで罠にかかった感。主人公が12歳の少年。ヤングアダルトかとバカにしていたのに、時間を忘れて読んだ。
テレビもYoutubeも消した就寝前の静かな時間、独り言を言いながら縫い物をしているカミさんの前でKindle Fire のページをめくる。物語は、近未来の理想都市(No.6)で何不自由なく育ってきた12歳のエリート少年が、嵐の夜、窓から飛び込んできたネズミという同世代の少年の傷の手当をしたことから始まる冒険物語。個性あふれる登場人物や次になにが起きるかのドキドキは、幼い頃の紙芝居や漫画雑誌の<次回に続く>の焦燥感にも似て、中々布団に入れない。そうやって焦がれるような読み方をしたのは「1Q84」(09年 村上春樹 新潮社)で青豆という少女を好きになって以来か。
作者によって個性豊かに描き分けられ、いきいきしている登場人物たちのセリフが気に入って、前ページに戻ったりマーキングした。また各章のはじめに引用された半ページほどのシェイクスピアやトルストイの警句なんかも深読みしたから予想よりずっと時間がかかってしまったが、それでも残りが100ページを切ってくると哀しい気分になった。
マンガもアニメもあるらしいからチェックしてみたい。あと、あさのあつこの代表作「バッテリー」も読んでみたい。
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