「冷たい熱帯魚」(10年 邦画)
5月だというのに高温注意報が出ていて、カンカン照りに散歩に行く気もならずいつか見たいと思っていたコレを見た。いつもなら昼食後の眠くなる時間なのに、すっかり見入ってしまった。少し期待していた18禁の意味はむしろソッチだったのか。気弱の熱帯魚店主の父親役がラストでブチ切れ、娘に「人生って痛いものなんだ」と叫びながら、自分の首を切り、それを見ていたフテクサレ娘が「やっと死んだか」と死んだ父親にケリを入れる。なんとも、壮絶なシーンなのだが、映画後半の風呂場で死体を解体のスプラッタの連続を見ているから、視覚は鈍感になっていて効果音とセリフが観客の頭に直接書き込まれる。ヤバイなー、こんな映画があったんだ。
監督(園子音)は有名らしいのだが、この映画で各賞を総ナメにしたもとお笑い芸人のでんでんにしても顔はわかるが作品を思い出せないくらい。配役は主役を含め錚々たる俳優連らしいのだが私にはほとんど馴染みがない。ドラムの音が腹まで響くメリハリの聞いた音楽のせいか、実話だというストーリーのせいか146分を長く感じさせることはなかった。見た後の何とも言えない不快感は食あたりの予感に似ていて、誰かと一緒に見たい映画ではない。それくらい、面白い映画だ。
「かくれんぼ」(13年 韓国)
正統派の怖さと言っていいのではないかと思う。幽霊や超常現象でオチをつけることなく、ジワジワと迫ってくる恐怖と謎解きの楽しさ。カメラワークも「凝ってなくて」ふつうに怖い。韓国映画は怖いのが多いが、コイツはその中でも秀逸。映画に限らず、韓国で一番怖いのは火病の(ファビョる)女。顔立ちの良い静かな女性がトツゼン狂気となって叫びだすと、画面のこちらにいても思わずたじろぐ。
2作とも女優たちがいい。こういうキレイな女たちは遠くから見てる分には楽しいが、そばにいると怖いだろうと、心底思う。
韓国の映画はいいですね。恨、業という字が合う、愛憎相半ばというのがいいです。親切なクムジャさん
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