2017年9月10日日曜日

ロバの耳通信「スプリット」

「スプリット」(17年 米)
ナイト・シャマラン監督の新作ということで期待してみたが、前半はダラダラとした精神分析医と多重人格者の会話や、多重人格者に監禁された3人の少女ー中学の演劇部でもこんな演技はしないだろうと思うほどの大根ーが逃げ出そうとするシーンなど退屈な時間が続く。本物の多重人格者に見える名優ジェームズ・マカヴォイの表情や、ラストに獣人になるところ以外は見るべきところはなかった。シャマランへの期待が大きすぎたか。残念。

シャマランのほかの作品、たとえば死人が見える「シックス・センス」(99年 米 以下同じ)、死なない男「アンブレーカブル」(00年)、ミステリーサークル「サイン」(02年)、閉ざされた村「ヴィレッジ」(04年)、自殺する人々「ハプニング」(08年)などなど、ほとんどが「不思議」を描いた作品で、ノッケからギョッとするシーンが多いのだが、この作品は多重人格者が24番目の人格として自分の中に獣人を生み出すというもので、変身「X-MEN」シリーズ(00年~)や人狼「ウルフガイ」シリーズ(70年~ 平井和正)を思い出させる。
この多重人格者も彼に監禁される少女も、幼い時に肉親などに酷い虐待を受けていたという、いままでの作品と同じ流れ、つまりは<どんなに不思議に見えても、結果にはそれなりの理由がある>。
wikiによれば続編「グラス(仮題)」(18年予定)ではこの多重人格者が生み出した獣人が主人公になるらしい。ラストでチョイ役で出たブルース・ウイルスが主演とのことで、こっちに期待したい。

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