2017年9月17日日曜日

ロバの耳通信「いわさきちひろ」

「ラブレター」(04年 いわさきちひろ 講談社)

安曇野にちひろの美術館があるという。いつか行きたいと思っているのだが、行ってしまえば行きたい行きたいという気持ちを失くすことになるのがわかっているから、行かないほうが良いのかもしれない。

ちひろの絵は効く。つらいときとかに見ると薬のように効く。こんなに効くのは、ワタシが幼いころに母をなくしたということにかかわりがあるのだろうか、それとも、ちひろの絵には仏さまがついているのだろうか。

「ラブレター」 は、ちひろが夫松本善明のことを想った日記から始まる。挿絵が良くて繰り返し読んだ。オビには「バツイチ 家無し、職もなし。27歳、愛と不屈の物語。」とあったが、絵本や挿絵だけでは計り知れないちひろの暮らしを知って、ちひろの絵がますます好きになった。

「少女雑誌の口絵かなんかで、はじめてローランサンの絵を見たときは、本当におどろいた。どうしてこの人は私の好きな色ばかりでこんなにやさしい絵を描くのだろうかと。」まいったね、私もそう思った。

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