「ゲット・アウト」(17年 米)
親しくなった白人娘の実家に挨拶にゆく黒人青年。娘の実家は南部の素封家。青年はまだ無名の写真家で孤児。白人金持ちファミリーの中に一人のふつうの黒人。一家で歓迎されているようだが、コイツ何しに来たんだと、ジロジロ見られ、ヒソヒソと陰口をたたかれているーような気がする、と思わせて・・ウラがあり、その実とても歓迎されているのだ。オイオイ、なんだかおかしいぞ、この展開。娘の母親、催眠術を使う心理療法士役の名優キャサリン・キーナー(「マルコビッチの穴」(01年))の微笑んだ顔がめっちゃ怖い。物分かりよさげな医者ー娘の父も怖い。娘の弟も怖い。みんな、みんな怖い。
ストーリー展開と効果音楽がジワジワと「予想できない不安」だから、心底怖い。人種差別問題を正面に押し出した社会派映画ではないが、アメリカの拭い切れない黒人差別の歴史は怪談映画の沼に浮いた戸板の裏。ひっくり返せば必ずオバケがいる、暗い廊下の奥にはいつも何かが潜んでいる。この映画を普通にみてるとヒドイ目にあうよ、脳を開くシーンとか、とんでもないシーンまであるホラー映画だから。白人は怖いよ。最近見たなかじゃあ、1、2番の怖い映画かな。
ゲット・アウトは「出ていけ!」、セリフにもでてくるが、文字通りの意味、お前らは入れてやらん。
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