2021年2月27日土曜日

ロバの耳通信「TAP THE LAST SHOW」

「TAP THE LAST SHOW」(17年 邦画)

怪我のため踊れなくなった元タップダンサー(水谷豊)が閉鎖予定の劇場の舞台の最後のショーの演出を頼まれる。初監督と主演を務める水谷が長年温めていたシナリオだという。主演が水谷でなくてもよかったかなとも思うが、ほかにいい役者が思いつかない。劇場の支配人役の岸部一徳も代替が思いつかない。ラストの20分以上のタップシーンは息を詰めるほどの感動。ああ、この映画の主役は彼らだったのかと。
ただ、ちょっと気になっているのは、こんなにいい作品なのにあんまり話題にならなかったか。ワタシの好みがズレているのか。ミュージカルになるんじゃないかな、この映画は。そしたら、そっちも行きたい。

ずいぶん前に、ニューヨークで「コーラス・ライン」を見たことを思い出した。早朝から並んで半額の当日券を買って、シューベルトという小さな劇場の最前列で見た。最前列一番右の席からは舞台下手前のオーケストラが幕間から見えて、目の前の舞台はダンサーが足を鳴らすと埃が舞い上がった。初めてのミュージカルは感動で劇場を出てもしばらくは震えが止まらないほど。ボーレイのようになって、予定していた遅い夕食もやめて、薄暗い地下鉄でホテルに帰ってベッドに入っても、音楽とダンサーが踏みしめるドンドンという音がアタマの中に残っていて、なかなか寝付けなかったことを今でも憶えている。



0 件のコメント:

コメントを投稿