2018年4月19日木曜日

ロバの耳通信「クレージーボーイズ」「カタブツ」

「クレージーボーイズ」(10年 楡周平 角川文庫)

作者の楡周平が米国企業で働いていたということで、銃、麻薬、ギャングなど米国の国内事情を作品にリアルに反映していて、そこがほかにない面白さとなっている作品が多い。

「クレージーボーイ」もゲイ、麻薬やギャング、大学寮、石油メジャーやコンサルタントといった米国流の独特の味付けがされた、まさに「ザッツ・エンターテインメント」と言える新鮮見味のある娯楽作品となっている。この作品も日本の不条理な習慣や仕組み、たとえば繰り上げ初七日法要から金融商品取引法(証券取引法)、裁判制度まで揶揄しており、15歳の主人公が銃器をもって立てこもり、で何人かを傷つけたにも関わらず少年法により守られるというオチまでつけている。環境問題から資源、銃器管理など盛りだくさんの中身を詰めこんだ500ページだが、シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)主演映画のように、面白かったが何も残ることがなかった。あ、あまり役に立ちそうでもない雑学は増えたか。

「カタブツ」(08年 沢村凛 講談社文庫)

どれもひとひねりもふたひねりもして「面白がらせる」話。「ありそうで、ない」を通り越して「こんなのゼッタイない」作りすぎのシナリオだけれど、ネット動画にもちょっと飽きて、テレビも面白い番組もなくて、なにもすることがなかった昼食後の空き時間。

カミさんが図書館から借りてきた本で、気づいたら6つの短編を全部読み終えていた。作家紹介を見たら「ファンタジーノーベル大賞」を獲った中堅作家だというから、それなりの本なのかもしれないが、うーん、昼寝でもしてればよかった。

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