2018年5月13日日曜日

ロバの耳通信「クライム・ヒート」「ランナウェイ/逃亡者」

今日は午後から雨。初夏のはずなのだが、寒い。一週間ほど前に引いた風邪がまだ、抜けない。こういう日は、明るく楽しい映画のほうがいいのだろうが。

「クライム・ヒート」(14年 米)

原題のThe Dropはマフィアの夜間金庫のようなもの。雇われバーテンダー役のトム・ハーディー、チンピラの情婦ノオミ・ラパス(「ミレニアム」3部作(09年 スウェーデンほか)、数年前に亡くなった悪役専門のジェームズ・ガンドルフィーニなど芸達者の配役がそろっていて、見ごたえのある映画になっている。なぜか日本では未公開らしく、字幕付きのネットやDVDで見るしかないが、ブルックリンの荒廃した通りやボロ車、ギャングに酒場など古きアメリカ満載で、アメリカン・クライム好きに勧めたい作品。

原作(ミスティック・リバー Mystic River (01)年、シャッター・アイランド Shutter Island (03年)ほか映画化された「あの」デニス・ルヘイン)がいいのもあるだろうが、トーマス・ハーディーのクールな役柄と訥々としたセリフが、深夜にお気に入りのペーパーバックを読んでいる気持ちになれた。


「ランナウェイ/逃亡者」( The Company You Keep 12年 米)

ロバート・レッドフォードの監督・製作・主演。30年以上潜伏生活を送っていたのにふとしたことから昔のことがあからさまになり、ベトナム戦争の頃のかって過激派だった男が、娘との暮らしを守るために冤罪だった銀行強盗殺人の汚名を晴らそうと事情を知る昔の仲間を探して奔走するーという作品なのだが、若き新聞記者役のシャイア・ラブーフ(「ウォール・ストリート」(08年 米)でもスゴ腕の新聞記者)が、かってロバートレッドフォードが演じた「大統領の陰謀」(79年 米)の新聞記者を思い出してしまった。レッドフォードが若かったら、この新聞記者の役をやりたがったに違いない。

元過激派のメンバーたちはジュリー・クリスティー(「アウェイ・フロム・ハー君を想う」(08年で各賞受賞)、スーザン・サランドン(メに特徴のある名女優)、ニック・ノルティなどなどジジババ俳優が揃って、レッドフォードの友人救済映画の感。

映画の中でフラッシュバックされる昔のモノクロ写真が妙に自分の若い頃と重なり、楽しいばかりではなかったはずの学生時代の思い出も、今ではただただなつかしく甘酸っぱい。

学生集会でいつも反戦歌を歌っていた髪の長いコは、いまどういう暮らしをしているのだろう。

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