「白蓮れんれん」(05年 林真理子 集英社文庫)
年上で華族の人妻と平民の弁護士が駆け落ちしたという歴史的にもスキャンダルな「白蓮事件」を題材にした「白蓮れんれん」をいつか読みたいとおもっていた。どうも性に合わない林真理子の著ということで実現していなかったが、たまたま図書館で手に取った縁を感じて読むハメに。
伝記モノは好きだし、大正という時代も殆んど知らない世界だし、本書が賞(第8回柴田錬三郎賞)をとったということで気合を入れて読んだのだが、イケナイ。炭鉱王と再婚した華族の出戻り女歌人が、我儘一杯、贅沢三昧、放蕩を繰り返しあげくのはてに年下の男と駆け落ちしたそれだけのハナシを、シレっと思いっきりやっかみ気に書けるのは林の筆のチカラか。
前に読んだ歌人長塚節の伝記「白き瓶 小説・長塚節」(藤沢周平10年 文春文庫)では、豪農の子として生まれ才能にも教育にも恵まれていた長塚節の、性格破綻者といってもよいくらい野放図さにも辟易したが、ワタシは歌人と相性が悪いのだろうか。
俵万智ちゃんは大好きなのに。
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