2018年8月16日木曜日

ロバの耳通信「アイズ ワイド シャット」

「アイズ ワイド シャット」(99年 米英)

スタンリー・キューブリック監督の遺作ということで話題になって、ファンのトム・クルーズとニコール・キッドマンを映画館で見た記憶がある。映画のストーリーが難しく疲れてしまって、映画そのものの記憶もほとんどなく、映画館を出てボンヤリした頭で暗い街を歩いたことを覚えている。

ネットにアップロードされたのでまた見たのだが、2度目にも拘わらずストーリーは全く理解できず、当時32歳と女性が一番キレイな年代のニコール・キッドマンの色白でセクシーな姿態は息を飲む程で、そういう年齢の女性をキレイに感じられるようになった自分にも驚いた。セリフに比べボリューム上げすぎの音楽(ドミートリイ・ショスタコーヴィチの「ジャズ組曲 第2番 ワルツ2」とジェルジ・リゲティの「ムジカ・リチェルカータ」)が頭の芯まで響いた。そうか、最初に見たとき、頭がおかしくなったのはこの音楽のせいだったかと、今更思い当たった。ショスタコーヴィチのワルツはいわゆるジンタで古めかしく、リゲティのは楽曲というよりは、ピアノの単音の繰り返しでトム・クルーズの不安に同期する。

トム・クルーズとニコール・キッドマン(当時は夫婦)はこの映画の封切り後2年後の01年に離婚するが、この映画のラストで「私たちこれからどうする?」と二人が言葉を交わすシーンは、倦んだ中年夫婦のようで映画と実生活が重なっているように見えてなんだかオカシイ。

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