「神坐(かみいま)す山」は、東京の端っこにある御嶽山(みたけさん)のこと。その神社に生まれた少年が亡くなった叔父と不思議な邂逅をするという話で始まる7つの不思議物語には、ワレワレの心に住みつかれている神のような方々を、あらためて感じる。浅田は母親の実家が御嶽山の宮司だったという(wiki)から、かなり影響を受けたのだと思うが、物語全編で語られる宮司の暮らしも興味深い。浅田の小説には回想シーンが多いが、これも亡くなった人たちが思い出と一緒に現れ、消えて物悲しい。7つの掌編を読み終えて、ああ、あれはそういうことだったのかとかと思い出し、付箋だらけにした本をまた最初から読みなおすことになってしまった。うん、よかった。

百蘭が吾郎に残した遺書のなかで「吾郎さん、吾郎さん」と愛おしく語り掛けるところでは、映画やCDブック(菅野美穂が百蘭の手紙を朗読)でも泣けた。YouTubeに朗読版があり、音声だけスマホに入れ繰り返し聞いている。
<「ラブ・レター」はワタシのブログでは2度目の登場になる。まあ、いいよね>
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